【フルームのサルブタモール問題】イギリス薬学専門誌「WADAが間違っている」
先週、英国の臨床薬理学雑誌「The British Journal of Clinical Pharmacology」(以下BJCP)で、ある論文が発表された。その内容は、フルームのサルブタモール問題に関して、WADAが行った検査方法自体がそもそもおかしいと、疑問を投げかけるもの。 参考:The British Journal of Clinical Pharmacology 目次1 臨床薬理学の専門誌「WADAの検査方法は科学的に無意味」1.1 ①論文タイトルと主任研究者について1.2 ②内容の概要1.3 ③フルームの超過量の真実 臨床薬理学の専門誌「WADAの検査方法は科学的に無意味」 ①論文タイトルと主任研究者について この専門雑誌における記事は、英国の伝統的な大手メディアThe Times紙でも昨日記事にされた。 英国紙The Times:Study raises doubts about Chris Froome’s salbutamol test(購読登録しないと全文読めず) 論文のタイトルはずばり、 Futility of current urine salbutamol doping control 訳「現在のサルブタモールの尿検査の無意味さ」 直球で来ました!内角を鋭くえぐる火の玉ストレート! 今回のこの研究を主導した研究者は、 Jules Heubergerという人。オランダのライデン(雷電!?)にあるCentre for Human Drug Researchの研究者。 参考:Centre for Human Drug Research この人は、去年EPOドーピングについても論文を発表してて、「EPO?EPOなんかやっても別に効果ないで」と結論づけてる。えぇ……(困惑)。これもうわかんねぇな。 ②内容の概要 新しい今回の研究では次のような実験をしたようや。 サルブタモールについてWADA(World Anti-Doping Agency)が許容する摂取量は最大で800mcgなんやけど、その800mcgを口から摂取して、排出された尿における濃度を調べてわけや。 で、実験では普通いろいろパラメーターを設定して、それを変動させて様々な結果の違いとかを分析するやん?科学実験では、このパラメーターの適切な設定が非常に大事で、研究結果の是非を左右する。 今回の実験では、大部分は、人間の成人の場合における文献を参考にしてパラメーターを設定したんやけど、部分的に犬の場合における文献に基づいたパラメーターの設定も同時に行い、実験した。 そしたら、実験結果のうち15.4%もの事例が、WADAが設定しとる尿のサルブタモール濃度1,000ng/mlを超えてしまったんや。 WADAが許容する範囲の800mcgを摂取したにもかかわらず、WADAが許容しない濃度になってもうた。これは矛盾しとるわね。許されたことしたら、許されへん結果になった。 おまいらの会社でもよくあるやろ?無能な上司によって指示がころころ変わるやつよ。それと似たようなもん。 上司「こうやれ」 ワイ「わかりました」 ↓ ワイ「できました」 上司「なんで勝手にこんなことしたんや!」 ワイ「えぇ・・・・・」 みたいなやつ。 こんな感じになったわけ。 この結果を受けて今回のその論文では、こう言うてる。 “the current threshold inadvertently leads to incorrect … Continue reading 【フルームのサルブタモール問題】イギリス薬学専門誌「WADAが間違っている」
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