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なぜチューブレースタイヤはスポークが緩みやすいのか?指定空気圧は厳守!

なぜチューブレスタイヤはリムの変形とスポークテンションの低下を起こしやすいのか

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ここ数年広まりつつあるチューブレスタイヤ。一般人でもプロでも使うことが増えてきた。

以前は「タイヤがホイールにハマらない」「ビードがあがらない」「シーラント剤でホイールが腐食した」などのトラブルが多かったようだが、最近は業界標準規格の策定や技術の進歩によりそういったことも減りつつあるようだ。

そんなチューブレスタイヤだが、スポークテンションを緩ませる特徴があるらしい。どういうことなのか?

情報源:WHY TUBELESS TYRES CAN LEAD TO LOOSER SPOKES THAN THOSE WITH TUBES INSIDE

なぜチューブレスタイヤはスポークテンションを弛緩させるのか?

なぜチューブレスタイヤを使うとスポークテンションが下がってしまうことが起こるのか?その理由は「ホイールのリムが変形する(縮む)」からだ。

どういうことかといえば、チューブレスタイヤの場合はタイヤ内部の空気圧によってリムが縦方向に「より直接的に」押される結果、ホイールが縦方向に変形しやすくなるということだ。

この点インナーチューブを使うクリンチャータイヤ(チューブレスでもインナーチューブ併用する場合)は、インナーチューブ内に空気がたまり、チューブが変形する。そしてそのチューブがリムを押すわけだが、空気圧が直接リムに負担をかけるわけではなく、あくまでチューブというものを介しての間接的なものになる。

このシステムの違いによってチューブレスタイヤのほうがより直接的に、よりまんべんなくリムに圧力がかかることになる。

この結果として、チューブレスタイヤのほうがリムの変形が大きくなり、そしてそれがスポークテンションを緩ませる原因になる。

測定によると、チューブありの場合と比べてチューブレスだと10~20%スポークテンションが低下する事例もあるようだ。

こういったことは少なくとも大手ブランドDT SWISSは明確に把握しているし、ホイールビルダーの中でも気づいている人は気づいている。

チューブレスタイヤは危険なのか?

ではチューブレスは危険なのかというとそんなことはない。

上記のように少なくともDT SWISSはそれを踏まえてホイールを設計・製造している。

またスポークのテンションが少し下がるだけでそれが直接落車につながることは少ないだろう。むしろスピード出しすぎとかのほうがはるかに危険だ。

さらに最近主流となるディスクブレーキロードバイクは、リムブレーキよりもこれらの影響が少ない。

というのもチューブレスタイヤを使って、リムの変形(縮小)とスポークテンションの低下が起こりホイールの動きに歪みが出た場合、直接ホイールのリムでブレーキをかけるリムブレーキバイクのほうが影響を受けやすいからだ。

こういった点でもチューブレスタイヤを使う場合にはディスクブレーキロードバイクのほうがメリットが増える。

ただ、チューブレスタイヤを使う場合には以下の1点だけに注意して欲しい。

指定空気圧を厳守

それはリムに記載されている指定最大空気圧を厳守することだ。

空気圧の多少によってリムの変形度が変わり、スポークテンションの低下の度合いも変わる。

Enveなど大手ブランドはこれらのことも踏まえて限界空気圧をリムに記載している。それをしっかりと守ることが大事。

ホイールの剛性をしっかりと保ち、ホイールの性能を確実に引き出すためにも限界空気圧以下で乗るようにしよう。

チューブレスタイヤはクリンチャータイヤよりも低圧で使えるというのが定説だが、以上のような特質を踏まえれば「使える」ではなくて、「低圧で使わなければならない」と考えたほうが良いだろう。

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