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フランスのワールドチームの1つArkéa–B&B Hotelsが2026年にチームが消滅するかもしれない危機に立たされている。
フランスの法律によると、フランスではプロチームに所属する選手らは雇用関係のある人間(たとえば社員)として登録しなければならないらしい。一方で他国では社員ではなく請負契約の人間として登録できる。
請負契約ならば注文者と請負人との間に雇用関係はなくお互いに独立しており、基本的には請負人に対して注文者は報酬支払の義務があるだけで、請負人に福利厚生などを与える義務はない。
しかし社員のように雇用関係がある場合は保険やら福利厚生やら、そして何より税金という観点で大きなコストが雇用主にはのしかかる。
この点GroupamaーFDJの名将(熱将)マルク・マディオは、外国チームと比べるとフランスのチームはこうした法制度によって選手の一人分の税金などのコストが40%以上増えるため、実質的にはその分だけ年俸が減ることになり、これは、フランスチームが移籍市場で選手を獲得したいときに年俸競争で不利に働くと話す。
一方で逆に選手がフランスチームから外国チームへ移籍する場合は単純に考えると年俸が40%上がることとなりお得だ。フランスチームは移籍しようとする選手を引き止めたくなってもなかなか難しい。
このようにフランスの法制度がフランスチームのチーム作りに不利な影響を与えている面がある。もちろん見方を変えれば選手の権利の保護が手厚くなるという側面もあるだろう。
こうした事情はもちろん同じフランスチームのArkéa–B&B Hotelsでも同じである。さらに同チームのマネージャーであるEmmanuel Hubertは、2026年からのチームの財政が危機的な状態にあると語る。
なぜなら2025年いっぱいで現在のメインスポンサーであるArkéaとB&B Hotelsの両社との契約が切れるからだ。まだ契約延長の話は出ていないので交渉中なのだろう。
実際彼はフランスメディアのインタビューで、「2025年12月31日がすぎればチームがどうなるか全く保証できない」と話す。
ただ幸運にもチーム存続が確定したとしても、現在のUCIチームランキングでArkéa–B&B Hotelsは18位のCofidisについで19位。2023~2025年いっぱいまでのUCIポイントでワールドツアーからの降格が決まるため、来年相当がんばらないと、今のままだとArkéa–B&B Hotelsの降格は免れない状況だ。
上述のようなフランスの法制度による不利、スポンサー契約の消滅、UCIポイントの低迷という3つの問題が同チームの存続にかなり濃い暗雲を立ち込めさせている。