不調のアルノー・デ・リー。その原因はメンタル面か？

Lottoの若きエース、アルノー・デ・リー。昨年にベルギー王者になり今年もチームの大黒柱として活躍することが期待されていた。

しかし今年はエトワール・ド・ベセージュでステージ優勝を挙げたきりまだ勝利が1つだけ。ヴォルタ・アン・アルガルヴェでもステージ優勝はできず、そしてここ最近のワンデイレースでもどこか精彩を欠くような走りがあり、先日のヘント～ウェヴェルヘムは途中で遅れてDNF。なにかスランプに陥っているような感じだった。

そのためチームはしばらく彼をレースから離れさせ心身ともに回復させることを決定した。

情報源：Lotto take decisive action following Arnaud De Lie’s poor start to 2025: “Arnaud is a winner, that’s not nice”

だがこれはチームにとっては本来ならば稼げたであろうUCIポイントが少なくなることも意味し、勝てると思っていたレースも勝てなくなることも意味する。そのため絶対的エースの彼を外すことはチームにとってはかなり重い決断となっただろう。だがそれでもチームは彼の回復を最優先したわけだ。

今年はかつてLottoでプロとして走っていたGaëtan Billeが、新しくアルノー・デ・リーのトレーナーとなった。もともと彼とはトレーニングパートナーであり親しい間柄だったようだ。それもあり専属トレーナーとなる契約はデ・リーとの関係強化と良い影響をもたらすと期待されていた。

しかし今シーズンの結果は上述のようなものでありLottoが期待するレベルに達せず、スランプのような状態になってしまっていた。それを受けて今回Lotto側はGaëtan Billeとの関係を解消、デ・リーのトレーナーから外す決定を下した。したがってこれからチーム側がデ・リーの回復の主導権を握る。

チームとしてはデ・リーの状態が本来のものではないことは明白だと考えているが、問題はデ・リーの現在の不調の原因がわからないこと。チームは血液検査なども行ったが原因は不明。

Lotto側は、実は昨年度もデ・リーは同じような状態に陥ったことがあり、そのときは原因が少しわかってそこから回復に成功したものの、今年は現時点で再び闇の中という状況だと語る。ただチームとしては今のところメンタル面が主な原因なのではないかと考えている。おそらく周囲からあるいは自分自身による重圧だろうか。

このように簡単にデータとしてすぐになにかわかるというものではないため、チームとしては焦らず時間をかけて回復させる予定だ。