カンパがスプリンタースイッチや曲線的に動くプーリーを導入?
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今回はカンパニョーロ(Campagnolo)の特許についての情報を簡単にご紹介。
情報源:Patent Patrol: Campagnolo’s curving wide-range derailleur, 13-speed cassettes, EPS buttons & more!
EPSにスプリンタースイッチ追加?
参照1(特許申請情報サイトEPO):カンパニョーロ特許、CN110667766Aについて
まずは次の画像をみてもらいたい。
ハンドルの画像だが、ブラケット部分に小さなボックスような部分とボタンのようなものが描かれているのがわかると思う。
そして、そのボックスからハンドル先端に向けてコードのようなものが描かれている。ということはその2点はつながっていて、レバーを操作した場合と同じようにボックスからの信号を伝えて、なんらかの機能を実現するものではないか?
となると、その機能として考えられるのは、シマノのスプリンタースイッチのようなもの?
これはひょっとしたら、シマノでいうところのスプリンタースイッチのようなものではないか?
さらに次の画像も見てほしい。
こちらはハンドル突起部分・先端部に着目。黄緑色の丸印の部分である。
なにやらインジケーターのようなものが描かれている。何の情報が表示されるのか?
とりあえず考えうるのは、
- 電動コンポや電動アシストのバッテリー残量
- 電動アシストのパワーレベル
- 電動コンポの状態
- 方向指示器?
といったところだろうか。
リアディレイラーのプーリーが曲線的に動く?
参照2(Google特許情報サイト GooglePatent):Bicycle gearshift with high-precision control and method for carrying out gearshifting in a bicycle gearshift
次にこちらの画像をどうぞ。スプロケとリアディレイラーのプーリー周辺の画像である。
注目してほしいのは黄緑□の内部、スプロケのギアとプーリーとの間に、「⇔」マークがあるのがわかるだろうか?これは、ギアとプーリーとの間隔を示している。
なぜそこが重要なのか?簡単に説明していこう。
昔はロードバイクのスプロケ(後輪のギア)は、クロスレイシオが良いとされてきた。クロスレイシオとは、それぞれ隣り合うギア(コグ)のサイズが、あまり大きく変化しない組み合わせのものである。たとえば一段だけ重くしても、ちょっとだけ重くなったと感じるタイプの組み合わせである。
このクロスレイシオの場合、上画像のように、各ギアがある程度直線上に整列する。隣り合うギア同士のサイズ差が少ないためである。
一方現代のロードバイクで主流はワイドレイシオ。簡単にいえば、一段分だけ変速すると、めちゃくちゃ軽くなったり、重くなったりするタイプである。隣り合うギアとギアのサイズの差が、クロスレイシオの場合よりも大きいためそのようになる。
この場合、上画像のようにギアの並び方は直線にはならず、曲線上に並ぶ感じとなる。
そこで問題となるのが、プーリーの動きである。
既存のコンポだと、プーリー(細い○の物体)はこの画像のように直線的に動く。しかし、ギアが曲線的に並んでいるため、ギアによってプーリーとの間隔がバラバラであり、かつ、中央のギアだとかなりプーリーから遠ざかることになる。
これが変速性能を低下させる要因となっているとカンパは考えた。
そのため、カンパはこの画像のようにプーリーをギアの並びに沿うように曲線的に動かそうと考えた。これが今回、カンパによって申請されている特許の内容(のごく一部)である。
「STI」はシマノですね
カンパはエルゴパワー
おっと、これはうっかり。訂正訂正っと。
コメント感謝!
リンク先の特許公報の図版見ると、プーリーが曲線的な軌道を描くのではなく、3〜4段階の多段移動という感じですね(Fig.8、Fig.20)。
で、CSの端数構成に合わせて軌道を変化できるような…(Fig.21-22)
スプロケカセットで使うギアの組み合わせがかわるとプーリーの動く量も変わるので、グランツールのレースとかだと毎日のその調整めんどくさ!と思うけど、よく考えたら電動コンポならそこはプログラムで自動的(?)にうまいこと調整されるのだろうと思うブヒね。