チームEFの動きが鍵?今夜の2023ツール・ド・フランス第14ステージのコースについて
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昨夜の第13ステージでは最後の超級山岳でUAEがポガチャルのために万全の体制で山岳トレインを組んでいたが、一方でユンボのアシスト陣は早い段階でほとんど消えていた。ただそのユンボについては今日からのためにアシスト陣が体力を温存したとも考えることはできる。
つまり今日のレースで、昨日のユンボのそれがどのような意味だったのか、その真実が明らかになるはず。同時についに今日、実質的に今大会初のUAE山岳トレイン vs ユンボ山岳トレインという二強チームの本気のチーム総力戦が見られる可能性が高い。
そんな今日の第14ステージは昨日から始まったアルプスの山岳ステージ三連戦の2つ目。そのコースは次の通り。
7月15日(土)午後7:40〜
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) July 14, 2023
Cycle*2023 ツール・ド・フランス 第14ステージ
【アヌマス 〜 モルズィヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ】151.8 km(山岳)
解説:小林海さん、中野喜文さん
実況:永田実さん、長澤洋明さん
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信〜https://t.co/wzKQc8hMaM#TDF2023 #jspocycle pic.twitter.com/KAVzQHUeoz
今日も昨日ほどではないが比較的距離は短め。しかし山岳がぎっしりとつまっている。3級1つ、1級3つ、そして最後に超級だ。
勝負のポイントとなるのはやはり最後から2つめの山、1級山岳ラマズ峠からだろう。そのデータはこうなる。
登坂距離13.9km、平均斜度7.1%。
そしてこの日最後の山岳となるのが超級山岳ジュー・プラーヌ。そのデータはこのとおり。
登坂距離11.6km、平均斜度8.5%と、距離こそ昨夜の超級、そして上述のラマズ峠より短いが平均斜度がそれらより高い。登り始めと、中盤〜後半に10%超区間がある。特に大切なのは登り始めの区間だろうか。1級ラマズ峠から下ってきた集団は速度を上げたままこのジュー・プラーヌに突入しそうだが、登り始めの激坂区間で失速して遅れてしまうと、それまでの好走が泡と消えてしまう。ステージ優勝を狙うならここは歯を食いしばり遅れないようにしたい。
ちなみにこのラマズ峠からのジュー・プラーヌという流れは、7年前の第20ステージとほぼ同じコースとなっている。そのとき優勝したのが、一昨日の第12ステージで優勝したヨン・イサギレ(Ion Izagirre)だ。7年前のその日にイサギレは雨の中のジュー・プラーヌの下りで攻撃をしかけ逃げ切った。
そこで今日の優勝予想もヨン・イサギレといきたいところだが、今日と明日はUAEとユンボがガチで総力戦を繰り広げるかもしれないので、そうなると山岳でのプロトンのペースアップで逃げは全て吸収される可能性が高い。
というのも昨日は山岳が実質的に山頂フィニッシュの超級1つだけというものでエース一人だけの力でもなんとか対処できた日だったが、今日は山岳が、それも1級山岳が3つも詰まっていて、それを走ってからの超級となっているので全くシチュエーションが異なり、まさにエースを最後の超級までどれだけ楽に走らせることができるかというチーム力が問われる日だからだ。
優勝予想は、あえての(?)ニールソン・ポーレス(Neilson Powless)。
なぜなら山岳賞ランキング2位にタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)がいて、ポーレスが何もせず、かつポガチャルがステージ優勝すれば山岳賞トップの座を奪われる可能性があるからだ。そこでポーレスは山岳賞ジャージ死守のため今日はなんとしても逃げにのって山岳ポイントを稼ぐ必要がある。チームメイトとともに逃げたい。
そしてポーレスは総合で首位から1時間40分以上遅れているので、彼が逃げてもUAEは絶対に追わない。よって大逃げが容認されるかもしれない。よってポーレスが他数名と逃げ切り最後はスプリントを制して優勝という流れを予想。ポーレスはただのクライマーではなく、今年のロンド・ファン・フランデレンで5位、ミラノ〜サンレモで7位、ドワルス(DDV)で3位と馬力の高いタイプのクライマーなので、小集団スプリトでもクライマー相手ならば有利なはず。