UCIが新しいタイム差ルールとビデオ判定の導入を正式に決定。その概要。
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以前過去記事で、UCIが今年のツール・ド・フランスでビデオ判定審判員を導入する予定やと記事にしたん覚えとりゅ?
これね。
https://bikenewsmag.com/2017/12/22/uci-introduces-video-referee-to-roadrace/
そして今回、UCIがこのビデオ判定員制度を正式に決定した。そしてこれとともに、新しく集団スプリントの場合のタイム差ルールも改定されることになった。
UCI公式:The UCI Management Committee sets out its initial plans for 2018-2022
UCIが、新タイム差ルールとビデオ判定員制度を正式決定
①ビデオ判定員制度
ま、これについては↑の過去記事にある程度の内容を書いといたから、そっち見といて。
ビデオ判定制度の導入は当然去年のツール・ド・フランス第4ステージでの、サガンvsカヴェンディッシュのあの事故に起因したもの。ツール主催者側&UCI陣営とサガン&Bora側陣営との間でだいぶ揉めたからね。CAS(国際スポーツ仲裁裁判所)までもつれこんだりね。実際にはCASでの本格的な裁判なる前に互譲して収束した感じやけど。
で、このビデオ判定員が導入されるロードレースやけど、全部のワールドツアーやレースというわけやない。一部の重要レースだけにまず導入される。
具体的には、グランツールの3つ(ツール、ジロ、ブエルタ)、モニュメントの5つ(フランドル、パリ~ルーベ、ミラノ~サンレモ、リエージュ、ロンバルディア)、そして世界選手権や。
このビデオ判定導入で、より公平かつ慎重な判断が期待できるようになる、というわけやね。
②新しいタイム差ルール:1秒→2秒へ
今回のタイム差ルールの改定は、ゴール前スプリントについてのものや。
今までは自分の前を走る選手と1秒以内の差でゴールしたら、同着扱い。1秒を超えたらゴール順位が落ちてしまうというルールやった。もちろん高い順位でゴールしたほうがいろいろお得。j表彰台にあがって目立てるし、順位によって獲得できるポイントや賞金も変わってくる。そして何より、順位によってボーナスタイム特典に差があることが多い。
ボーナスタイム特典がどういうことかといえば、たとえば、1位の選手から5秒遅れの2位でゴールしたとするやん?ボーナスタイム特典が用意されてるレースやと、1位でゴールした選手よりも10秒の余計なタイムをその特典制度によって付与されてしまうんよ。つまり、ゴール時点では5秒差やったのに、この特典のせいでそれに10秒足して合計15秒の差がつけられてしまうわけ。そういうレースあるいはステージがあるんよ。
せやからたとえ平坦スプリントゴールであっても、より高い順位でゴールしたいわけ。
ところが、こんなたった1秒だけ前の選手と差ついたら順位下げられてしまうような従前ルールやと、たった1秒しか余裕ないからみんな必死にスプリントするわけよ。スプリンターじゃない選手でも。特にグランツールで総合優勝を狙う選手&チームも。
こんなんただでさえ混沌が支配するスプリント合戦やのに、スプリンターとそのチームからしたら余計な存在がぎょうさんその戦場におるわけよ。邪魔なわけよ。スプリンターたちからすれば、ゴール前の危険度が増加するだけでええことなんもないわけ。また、非スプリンターとそのチームにとっても、危ないゴール前に必死に飛び込んでいかなアカンわけやから、ちょっとしたことで大落車&大事故が起こり、総合優勝の可能性が一発で消える可能性も高いわけ。
スプリンターにとっても非スプリンターにとってもエエことなんもない。ただただ危ないだけ。ゴール前のポジション争いの動画みてもらったらわかるやろうけど、みんな相当殺気立っとるからね。それまではまったり雑談しながら敵チームと走ってても、ゴール前10㎞あたりからめっちゃ雰囲気が殺伐としてくる。
今回のUCI決定は、そんな危険度を低下させるべく、上記1秒差を2秒差へと変更するものや。
さて、上のUCI公式ページには他にもモータードーピング根絶への取り組み、そして UCI Management Committeeがどうこう書いてあるから興味あったら読んどき。
https://bikenewsmag.com/2017/12/22/uci-introduces-video-referee-to-roadrace/
(関連する過去記事とか、1つ前・後の記事は下のほうにあるで)