英国政府「チームSkyにドーピング疑惑の調査費用を請求するのは困難」
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英国政府・議会によって組織された委員会が公式に、チームSkyとウィギンスの疑惑、ドーピング疑惑と怪しい封筒「Jiffy Bag」疑惑について調査し、結果を報告書として公開したのは記憶に新しい。過去にネタにした。
これら過去記事で書いたように、右報告書はわりとチームSkyにとって厳しい内容のものやった。しかし、結論そのものは、「明白な客観的証拠がないため限りなく黒に近いグレー」という感じで終わった。
チームSkyの疑惑とその調査にかかった費用の回収は?
で、問題はこの調査費用をだれが負担すんの?という話。というのも調査したのは政府・議会の調査委員会やから、当然それは税金を使っての調査なわけ。それを回収せな、はっきりと「アウト!」と宣言できたわけでもないから、結局は税金の無駄使いになってまう。
この点、あまり一般には知られてへんけど、日本でも刑事事件で有罪判決喰らったら、基本的に被告人に裁判費用を負担させるんやで。共犯の場合はみんなで連帯責任や。刑事訴訟法にそう書いてある。
ま、今回のもそれと似たようなもんや。使った税金は回収せなアカン。
情報源:UK Sport won’t ask Team Sky and British Cycling to pay for Jiffy Bag probe
で、この情報源によると、税金使ったにもかかわらず英国のスポーツ省(UK Sport)はその費用をチームSkyには請求せーへんとのこと。
政府側はこう言う。
“It’s not a matter for UK Sport. It’s rather complex because Team Sky doesn’t receive any public funding.
訳「今回の調査費用請求どうこうは、スポーツ賞の仕事やない。請求できるかどうかってのはだいぶ微妙なんよ。なんでかいうたら、チームSkyは公的資金による援助を全く受けてないからや」
つまり、チームSkyは完全に普通の民間企業みたいなもんで、国から一切の財政面でのサポートを受けてない。税金とかを投入されてるわけでもない。一方で、スポーツ省は、公的資金が各種団体でどのように管理・使用されてるかを監視する組織。公的資金を監視するお仕事やから、そもそも公的資金が流れてないチームSkyにはその権限を行使できひんのやね。間接的になんらかの影響力を及ぼすことは可能やろうけど、直接的に権限行使ってのはできひん。それしたら行政機関が法律を無視することになってまう。法律による行政という大原則を行政自身が崩すことになる。
仮に、チームSkyがなんらかの行政上の法的義務を与えられてて、それにチームSkyが違反し、しかもその義務を果たさなかった場合に、政府側がチームSkyの代わりにその義務を履行したときならば、チームSkyに対して「ワシが代わりにやったんやから、かかった費用払わんかい」と言える(日本ならば行政代執行と国税滞納処分手続きでの費用徴収)やろうけど、今回はそういう事実関係とは全然ちゃうからね。
というわけで、国側としたらチームSkyの名声に傷をつけることはある程度できたけど、結局金使っただけで真実は闇の中という「なんやそれ」みたいな結果やな。なんぼかかったんか知らんけど。
(今日のおまけ:今朝病院いって帰ってくるときに、ワシの家の近所をBike FridayのPocket Rocket?に乗って走ってたおっちゃんいて、ビビったわ。こんな田舎でBike Fridayを見るとは。かなりの自転車好きのおっちゃんやね。ワシもBike FridayのPocket RocketかTikitを欲しいブヒねぇ)