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チームNTTではAIが契約すべき選手を決める

チームNTTはどのようにAIとビッグデータを使うのか?

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秋に発表された通りこれまでDimesion Dataだったチームは、日本企業NTTがスポンサーとなり、NTT Pro Cycling(以下チームNTT)へと生まれ変わった。

チームNTTのポリシーは、かっこよく言うと、「人工知能(AI)とビッグデータの活用によって、プロチームとファンの体験に革命を起こすこと」。世界最大級のデータ分析企業であるNTTがスポンサーだからこそのポリシーである。

そんな同チームは、なんとAIが契約すべき選手を決め、そして出場すべきレースを決める!?


情報源:Exclusive: NTT Pro Cycling use big data, AI & machine learning to create smarter pro team



NTTが目指すAIとビッグデータによるチーム運営とは?


NTTとAIとビッグデータ



チームNTTが発足し、チームプレゼンテーションが行われたときもチームの方針としてNTTのデータ分析能力を活用するとは言っていた。しかし、その具体的な方法はよくわからなかった。そこで、情報源の大手海外自転車メディアのBIKERUMORが、実際に同チームにインタビューを敢行。実際にどうAIなどを使うのかを取材した。

まず現状では多くのプロチームは、チームIneosのような大きな予算を持たない。そして他のプロスポーツ(特にメジャーなスポーツ。サッカーとかNBAとか野球とか)と比べると、選手との契約も1年契約が多い。

そんな貧相な現実があるチームでは、「もっと賢い」チーム作りが必要となるとNTTは言う。そこで、世界中から集めたビッグデータをもとに、AIに学習させ、AIにチーム作りをサポートさせることを目指すという。

たとえば、次のように書いてる。

NTT says they continue to broaden their data set, working with all publicly available race results, race point rankings, current rider profiles & other performance data points. The more data they collect, the better predictions their AI can make, and the better it can group together riders with similar characteristics and potential.

The NTT Pro Cycling data analysis team is specifically looking to identify & highlight rider talent that may have already been overlooked giving them an advantage, so they’ve been digging through results from between 3-4000 UCI sanctioned events this year to select their 2020 team.



これまでのいろんなプロ選手やレースでの優勝者のデータを分析・分類し、今の選手のデータを比べて、AIがどういったレースで誰ならば勝てる可能性があるかを判断する。(ひょっとしたら勝てる可能性とかトップ10に入れる可能性とかを確率で示したりもするかも?)

そしてNTTが特に力をいれるのが、才能はあるけどこれまで見過ごされていた選手を発掘すること。そのために今年(2019年度)の3000~4000ものUCIレースからデータを集め分析したもよう。


NTT Pro Cycling crunched the numbers and identified nine new riders to join the roster in 2020. Every one was identified by the AI data analytics, singled out for having an upward trajectory in their potential to score UCI points.



そして、今年チームNTTは9名の選手と新たに契約を結んだ。その全員は実はAIのデータによって選ばれた。UCIポイントを稼げる可能性が高いとの判断がAIによってなされたとのこと。

つまり、上記のような各種レースの勝者のデータとマッチするデータを持つ選手をAIが選んだというわけ。

また、選手のトレーニングプランもAIが作成するもよう。もちろんAIが出したものをそのまま実行するわけじゃなく、いろいろ修正・調整するはずやけど。

そして、選手との契約やそれらトレーニングプランの土台となる選手の身体的データ(特に心拍数など)は、他チームならば自転車に乗っているときのデータだけを集めて、それをもとに判断するが、チームNTTの場合は自転車に乗っていないときの身体的データも1日中収集し、分析するもよう。はえ~すっごい。

それによって、選手と適合するレースの選別やトレーニングプランをより正確に作成することが可能となる。大金をかけないでトレーニングの効率・合理性を向上させることにつながる。



象徴例:Ben Dyballとの契約


NTTとAIとビッグデータ



そしてその象徴たる契約が、オーストラリア出身の30歳Ben Dyballとの契約。TTスペシャリストで、今年まではコンチネンタルチームのTeam Sapura Cyclingに所属してた。そしてずっとワールドツーチームなどの格上のチームからの契約がなかった。

しかし、この選手、実はUCIポイントランキングでトップ100に入っている。

2019 UCI 個人別ポイントランキング
©UCI



この画像を見てほしい。個人別ポイントで86位にランクインしている。その前後を見てほしい。デゲンコルプ、デマール、リッチー・ポートとほとんど同じである。しかも、フェルナンド・ガビリア、ジロ山岳王のジュリオ・チッコーネ、世界王者のマッズ・ペデルセン、バルギル、サイモン・イエーツよりも順位は上である。

こんな風にまだまだ能力はあるのに見過ごされている選手がたくさんいる、とチームNTTのデータ分析の専門家は言う。

AIとビッグデータの活用により、こういった選手が発見しやすくなり、そして彼らに適合するレースを提示し、彼らが活躍すればチームとしては低価で効率的なUCIポイント獲得が可能となる。これが「賢い」チーム作り・チーム運営ということ。チームNTTはそれを目指す。

AIが止まらない!

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