なぜデュムランはSuwebを捨てたのか?
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トム・デュムラン(以下デュムラン(大))の去年はとてもフラストレーションの溜まるものだった。
ジロで落車により膝を激しく負傷した結果、ジロをそのステージ後にリタイア。そして以降のツール・ド・フランスもブエルタ・エスパーニャも全て参戦できないままで終わった。その負傷をきっかけにチームSunwebとの関係にもヒビが入り、ついにはJumbo-Vismaへの移籍となってしまった。
そんなデュムラン(大)から見捨てられたチームSunwebには、デュムラン(大)との接し方に問題はなかったのか?
情報源:Sunweb boss says team made ‘no mistakes’ treating Tom Dumoulin’s knee injury
この情報源記事でのインタビューで、チームSunwebのボスは次のように語る。
“No [there were no mistakes made], and Tom will say that too.
訳「いや、チームとしてデュムラン(大)への接し方に問題はなかった。彼もそう言うはずや。」
ただし、そうは言うもの同時に「もっとこうしとけばよかった」という点もあると言う。
“If you look at points for improvement, there are some, because luckily we all make mistakes. We are very self-critical and we also learn from this,”
訳「改善の余地はまぁ何かあるわけよ。幸運にも100%正しい人間なんておらへんわけで、みんなミスするわけやから。せやから、自分を批判的にみつめ、そして過去の行いから学んでいくわけよ」
“But at such a moment you have to deal with a person and athlete who has worked all year round and has experienced a huge disappointment. As a team, we also have that drive and want to continue. We all said, ‘let’s go for it’. In retrospect, we should have decided earlier that the Tour was not feasible.”
訳「デュムラン(大)の場合は、ずっといっしょにやってきた選手で、しかも大きな失望を抱えた選手と接しなければならない場合で、チームとしてもそういう気持ちはあるけどまたこれからもいっしょにやっていきたいと思ってる場合やった。だからデュムラン(大)もチームも『ツールへ向けて再スタートや!』と言い合ったんやけど、今かラ思えば、ツール出場は無理やともっと早くに決断しとくべきやったわ」
これらの発言を考慮すると、デュムラン(大)としてもジロのリタイア後は休息よりも、ツールに向けたトレーニングを開始しようとしてたようやね。チームとしては「しっかり治すなら休息したほうがええぞ」と助言はしてたようやけど。
でも、ツールも休場して完全な回復を目指すか、ツールを目指すかの板挟みの中で、チームとしてもデュムラン(大)の意志を尊重したか、あるいは、ひょっとしたらチーム側が、まるで「トレーニングさえすればツールに間に合う」とも取れるような言い方をしてしまって、それをデュムラン(大)が信じたのか。上述の発言からすると、後者のほうが若干可能性が高いか?
で、結局は膝が治りきらずにツールもブエルタもなくなった。デュムラン(大)からすれば「ツールに出られるとチームは言うたけど、アカンかったやんけ!ウソつかれた!しかも膝も全然治ってないやんけ!」と感じたのかもしれへんね。半分自分の責任やと思うけど。それで、お互いの関係に溝が出来たんやろうね。そんな感じがするね。