ワールドカップが消滅、ユーロスポーツが数億円の8年契約。トラック競技がUCIにより大変革
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UCI改革がついにトラック競技にも及ぶ。なんとユーロスポーツが数億円の8年契約でトラック競技のスポンサーとして躍り出て、新リーグが創設。ワールドカップが消滅し、世界選の日程も変更。UCIが大鉈をふるう。
情報源:UCI reforms will change the face of international track cycling
目次
トラック競技の改革の概要
① ワールドカップ消滅し、国別対抗戦(ネイションズカップ)が創設。オリンピック選考に影響か?
5️⃣0️⃣ laps to go!
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) February 29, 2020
Netherlands 🇳🇱 16pts
Italy 🇮🇹 11pts
France 🇫🇷 10pts#Berlin2020 pic.twitter.com/TFQNoIREP4
まずこれまでオリンピックイヤー以外ではあまり盛り上がらなかったワールドカップが廃止される。UCI会長曰く、「ワールドカップはオリンピックイヤー以外の年では、期待以下だった」とのこと。
その代わり国別対抗戦シリーズとして、ネイションズカップ(Nations Cup)が創設される。これは、各シーズンごとに3つの大会によって構成されるもので、その3つの大会では主要な全てのトラック競技が行われる。日程は、3月から9月までを予定。国別対抗戦となる。
これまで、ワールドカップが世界選手権や次の五輪に向けた代表選考のための材料となっていたが、そのワールドカップが廃止されるため、今後は、このネイションズカップが世界選や五輪選考の場として大きな影響力を持つことになると思われる。
② 世界選手権の日程変更へ
The Women’s Omnium podium at #Berlin2020 ! 🌈
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) February 28, 2020
🥇 @Yumi_Kajihara 🇯🇵
🥈 @LetyPaternoster 🇮🇹
🥉 Daria Pikulik 🇵🇱 pic.twitter.com/0ocTdBWKL9
これまではトラック世界選手権は 2月の後半に行われていた。もちろん今年も同じ。そして今年はなんと33年ぶりに、日本人選手の梶原悠未がアルカンシェルを戴冠した。オムニアムでの歴史的快挙である。
そんな世界選だが、今後は10月へと移動となる。
反対派は、「オリンピックイヤーの場合、オリンピック後すぐに世界選手権やん。そんなんあんまり盛り上がらへんやろ」と言う。
しかしUCIは、「いやいや10月やと、ロードレースの有名選手たちも参戦しやすいから盛り上がるやん」と反論。さてUCIの思惑通りになるか?
③ Eurosportのスポンサー就任と、ワールドリーグという新リーグ創設
Great ride from @Ben__Thomas_ 🇫🇷and @wallsey_98 🇬🇧 who lap the field to end up 1-2 in the Men's Scratch race, as part of the Omnium!
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) February 29, 2020
Full Results 🔗https://t.co/U61r0lWk62#Berlin2020 pic.twitter.com/FCXPeCptSc
そしておそらく最も大きな影響がある変更が、 ワールドリーグ( World League )という新リーグの創設。これは、11月から2月に開催される予定の、有名なトラック競技施設のある世界中の都市に回るシリーズで、6つの大会から構成される。
そしてこれを独占的に放映する放映権を、ユーロスポーツ(Eurosport)がゲット。8年間で数億円の契約金を拠出するもよう。ユーロスポーツはトラック競技に力を入れようとしているのか。勝算はあるのか?
むしろユーロスポーツのために創られたリーグとも言えるかもしれない。
実際の番組内容とすれば、2時間枠のレースとなるもよう。毎回参戦する選手は36人で、男女半々。競技種目は4種類に限定される。ケイリン、個人スプリント、エリミネーション、そしてスクラッチである。
さて、大まかに以上のような大改革がトラック競技について行われる。これらの改革は2021年から導入される予定。オリンピックイヤー以外でも恒常的に世間の注目を集め、トラック競技人気の拡大のために、UCIはユーロスポーツと手を組んだわけ。UCIとすれば、「おぜん立てはしたから、上手いこと宣伝してな」という感じか。