裁判所がMavicに管財人を選任。買収の詳細を調査へ。

高級ホイールブランドやツール・ド・フランスでのニュートラルサポートとして昔から第1級ブランドとして人気のMavic。

ただ、日本のMavicの営業マンは小規模な自転車屋にはあまり評判がよろしくない。詳細は省く。自転車屋さんの店長に聞いてみるといい。まぁ営業マンによるかもしれないが。「はぁ？この店なんでMavicの商品を置いてないの？バカなの？」的な。

そんなMavicが裁判所から管財人を選任され、その管財人がある件についての情報を詳しく調べることになった。

情報源：Mavic placed in receivership in France

(1) 経営危機と管財人選定

通常、日本で「管財人」というと企業などが破産したときの破産管財人を思い浮かべる。

そこで管財人＝破産・倒産と思いがちだが、今回については直接的・法律的にすぐ破産・倒産というわけではなく、簡単にいえば債権者保護の一環としていったん会社財産をいったん管財人の管理下におくものである。

今回Mavicは、裁判所が選定した管財人によって会社財産を管理されることになる。管財人は利害関係者・債権者の利益を最大化するために動く。

破産したのではなく、破産が決定的にならないように、司法・行政側と協力しながら経営を立て直すというイメージ。

もちろんMavicのビジネスも厳しいものがあるので、そのまま破産へ突き進むという可能性もあるが、今の段階では直接的に法律上の破産・倒産を意味するものではない。

このへん各国によって法制度が違うのでいろいろややこしいのでよくわからない。また情報も少ない。

ところで今回問題になるのは、管財人によって調査されるMavicという会社の情報のうち最も不透明といえるような事項である。

(2) Mavicを所有しているのは誰なのか？

一体、何が不透明なのか？それは、一体どの会社がMavicを所有しているのか、Mavicを買収した真の親玉は一体どこの企業なのかということである。

Mavicの親会社の変遷は、かつてこのブログでも何度か紹介してきた。たとえば、

・MavicとEnveが売却か？その理由は？

・【Bloomberg】MavicやEnveが中国企業になる？親会社アメアスポーツに中国企業Anta Sportsが接近。

・Mavicが売却され、米国投資企業Regent LPが新オーナーへ。

などいった記事である。

これまでのメディアの報道によって世間的には、Mavicは米国投資企業のRegent LP社がAmer Sportsから買収したという認識だった。Amer Sportsはフィンランドの企業で、SalomonやArc’teryxやSuuntoなどを所有。

しかし、どうやらそう簡単なことではないもよう。

なんと現状は、アメリカのデラウェア州に登記されているM Sports International LLCという企業がMavicを所有していることになっている。同企業はRegent LP社とは資本関係はないらしい。

しかもブタが調べた限りでは、このM Sportsという会社の情報が見つからない･･････。ただのペーパーカンパニーか？ただ、その代表者はRergentの社長Michael Reinsteinが登録されているもよう。

なお、モータースポーツオタクならばエムスポーツと聞けばイギリスの会社を思い浮かべるだろうが、それとは全く無関係である。

以上のように、「わけがわからないよ」である。

今回フランスのグルノーブルにある商事裁判所によって選定された管財人は、会社財産の管理の一環としてこういった不透明な買収の事実関係や買収時の契約条件などを調べる。

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