短縮されるフランドルとクラシックスペシャリスト。オリバー・ナーセンとトム・ボーネンの考えは?
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先日書いたように、今年のフランドルことロンド・ファン・フランデレン(Ronde van Vlaanderen)は本来予定されていたよりも走行距離が短くなる。(過去記事:今年のフランドルはカペルミュールなし!その意外な理由とは?【2020ロンド・ファン・フランデレン】)
具体的には、もともとは267kmの予定だったが、241kmへ。26kmの距離短縮となった。この理由は上の過去記事でも書いたが、新コロ助19に端を発する9月以降の過密日程である。過密日程によりフランドル開催前から十分な休養を取れないままの250km以上の長距離は厳しすぎるというわけである。
そんな距離短縮の決定について、クラシックスペシャリストはどのように感じているのか。AG2Rのオリバー・ナーセンと、引退した元石畳の王様トム・ボーネンの意見をご紹介。
オリバー・ナーセンの意見「最悪や」
オリバー・ナーセンはベルギーメディアSporzaのインタビューで、次のように答える。
“In een koers van 260 kilometer moet je flink je best doen om voorin te eindigen. Die lange koersen zijn net het enige wat ik goed kan”,
From Sporza, Oliver Naesen: “Zonde, die ingekorte klassiekers”
訳「260kmもの距離になると、優勝を狙う前に前線で最後まで走り切ることに全力を注がなければならない。そしてそういったサバイバルレースこそが自分の得意分野なんや」
“Een renner die over 200 kilometer de beste is, wint niet zomaar een koers van 260 kilometer. Want die grens van 200 kilometer bestaat”
From Sporza, Oliver Naesen: “Zonde, die ingekorte klassiekers”
訳「200kmが得意な選手では260kmのレースでは勝てへん。なぜなら200kmに壁があるからや」
オリバー・ナーセンにとっては、200km以下のレースと、260km近くのレースは全くの別物。必要とされる能力が異なると考えている。
そしてナーセンは距離が長いほど自分には合っていると感じているわけで、そんな彼からすれば距離の短縮は「”Jammer”」=「ひどすぎる、最悪や」と述べている。
トム・ボーネン「それはそれでええんとちゃう?」
ボーネンは、ベルギーメディアHet Laatste Nieuwsに対して次のように述べる。
“Daar is de Muur het slachtoffer van. Toen de Muur in het verleden uit de Ronde werd geschrapt, was er ook veel discussie. Dat is nu niet anders.”
From Het Laatste Nieuws, Tom Boonen over schrapping van Muur uit Ronde van Vlaanderen: “Zeer jammer, maar dit is wel ideaal moment om kortere Ronde uit te proberen”
訳「カペルミュールが今年消えてしまったのは残念やね。近年においてもやっぱりあそこは何かが起こる可能性のある場所やからね」
In iets kortere klassiekers, zoals bijvoorbeeld ook de E3, wordt er ook vaak intenser gekoerst. Ik denk dat de renners er niet echt van wakker zullen liggen dat de Ronde nu 30 kilometer korter is.
From Het Laatste Nieuws, Tom Boonen over schrapping van Muur uit Ronde van Vlaanderen: “Zeer jammer, maar dit is wel ideaal moment om kortere Ronde uit te proberen”
訳「E3とかはフランドルより距離が短いけど、激しい展開になることがしょっちゅうあるやん。せやから、約30kmほど距離が短くなったという事実が選手らを動揺させることはないと思うけどね」
そして距離が短くなる今年はある意味では特別な年であり、そんないわば特別版フランドルを楽しもうと、ポジティブにとらえている。さらに、今回の試みが成功すれば、来年以降もひょっとしたら距離を短く設定する可能性もあると考える。