ファン・アールトが総合へ転向はあるのか?
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今年のツールで強さを見せつけたといえば、間違いなく優勝したタデイ・ポガチャルだが、他にも「これほど強いとは」と思わせた選手が数人いる。チームサンウェブのマルク・ヒルシ(Marc Hirschi)もそうであるし、帰ってきたリッチー・ポート(Richie Porte)、アメリカの天才超級クライマーのセプ・クス(Sepp Kuss)もそうであろう。
そしてなんといっても、ワウト・ファン・アールトであろう。アシストとして、ピュアスプリンターではないスプリントターとしても八面六臂の大活躍を見せた。
そこで気になるのが今後の彼の在り方である。すなわち、ゲラント・トーマス、トム・デュムラン、そしてブラッドリー・ウイギンスなど近年のツール覇者のセオリー(?)に従い、別分野のスペシャリストから総合系選手へと変身するのであろうか?
総合への転向はしばらくない。その理由
理由1:減量
ロードレースファンとしてはどうしてもその転向と成功を期待してしまうが、現実それは厳しいと考える。なぜならば、現在の彼では超級山岳がこなせない。
「いやいやガチ山岳ステージでもめっちゃ集団の牽引してたやん」と思われるだろうが、それはあくまで「アシスト」という役割だったから可能だっただけで、エースとして連日続く超級山岳をこなせるクライミング能力はまだないと言える。
もちろん基本的な潜在能力の高さはプロトンでも随一であることは確か。
だが、連日の超級山岳をできるだけ疲労を抑えながら登るためには、おそらく体重をまだ減らす必要があるだろう。
そして仮にその減量そのものに成功したとすれば、強力なタイムトライアル能力も現状と同じように維持できるかどうは未知数である。実際に過去に減量に成功したがTTが弱くなった選手、あるいは逆に筋肉とパワーは増やしたが、クライミング能力が落ちた選手は多く存在する。
体重の増減は能力のバランスを崩す諸刃の危険性を持つ。慎重に取り組まなければならない難しい問題である。もちろんその成功例が、上述のゲラント・トーマスだったりトム・デュムランだったりブラッドリー・ウイギンスだったり。
理由2:パリ~ルーベ、フランドルへの愛
あとはやはりベルギー人だけにまずは何よりも石畳クラシックでのモニュメント制覇が最優先事項であろう。そのためにはパワーが必要である。簡単に減量とはいかない。
チームとしてもそれを期待して獲得したのに、いきなり「来年からクラシックは捨てて、グランツール優勝狙うわ」では困る。
以上のことからクラシックを制覇し終えた場合はどうなるかわからないが、クラシックでの優勝が十分に可能な現状ではまずクラシックを優先するであろう。
したがって、少なくとも30歳(現在26歳)になるまでは総合へ転向はないと考える。
そろそろ山岳・TT・スプリントすべてを兼ね備えた新人類が生まれてもいいと思うの
かつてはエディ・メルクスがまさにそれだったブヒね。
現在は昔よりもはるかに高度に分業化・専門特化が進んでるのでなかなか難しいかもしれないブヒが、
ファン・アールト、そしてジュリアン・アラフィリップなどはまさにそれに近いかもしれないブヒね。
そういった新人類誕生の可能性は、英国が一番可能性ありそうな気がするブヒ。
どのスポーツにおいても、個人のピークを何歳に設定するのか?何歳が理想なのか?という問題がある。
しかし、個々の資質や考え方(思い)と、チームや監督の方針も合致しないと、それを逃してしまう。
ファンアールトは、すぐにでも総合系にシフトすれば通用するとは思うが、クラシックを制覇したい?という考えがあるなら、その後でも良いと思う。
チームとしても、まずはログリッチとクライスバイクとデュムラン(?)をエースとしてグランツールで優勝させるためにファンアールトにはアシストでいてもらった方が都合がいい。
ログリッチはブエルタで優勝したが、ツールとジロに大きな忘れ物をしてしまったから、二つに絞って出場するでしょう。
何はともあれ、ファンアールトは「良い素材」なので、上手く仕上げて欲しい。
今年の活躍で、ファン・アールトがモニュメントを勝つ期待が一気に高まってきたブヒね。
とにかく調子がいい。
ポガチャルもひょっとしたらロンド・ファン・フランデレンとかに出そうなので、いろいろ秋からのクラシックは楽しみブヒ。