チームSkyドーピング疑惑「謎の封筒」事件について、元チーム医師リチャード・フリードマンが証拠隠滅を告白
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数年前このブログでも紹介したチームSkyとブラッドリー・ウイギンス(Bradley Wiggins)のドーピング疑惑。その当時からこのブログを読んでくれていた人は覚えているだろうか。通称「Jiffy Bag(封筒)」疑惑である。
この疑惑は、2011年のクリテリウム・ドーフィネでウイギンスの元に謎の封筒(Jiffy Bag)が届けられ、その中身は禁止薬物だったという疑惑である。
この疑惑の渦中にいたのが、その封筒の中身を処方したチームSkyの医師リチャード・フリードマン(Richard Freeman)。
フリードマン医師は、禁止薬物のテストステロン(ステロイド剤の1種)を処方すべく、それを注文し、そしてドーピングに加担したとして裁判にかけられている。
しかし、その裁判は1年半前に始まったのだが、ほとんど実質的な審理がなされてこなかった。理由は主に同医師の精神的状態が不安定(鬱とか)であること。そして今年に限っていえば新コロナの影響で裁判が開くことができていなかった。
しかしようやく昨日、「今年第1回目」の裁判手続きが開催された。そこでフリードマン医師が述べたこととは?
情報源(英国紙Guardian):Former Team Sky doctor destroyed laptop before handing it to experts, tribunal told
裁判前に証拠のノートパソコンを破壊
まず昨日行われた裁判手続きだが、それは疑惑の本質に迫る審理ではなく、フリードマン医師が今後の裁判に耐えられるような精神状態なのかどうか、それを確認するための審理である。
だが、その中でも疑惑そのものに関するいくつかの点について訴追側から尋問があり、彼もそれに答えている。そこで彼は次のようなことを述べた。
“I had seen a programme about how people in India can access data on laptops,”
訳「かつてノートPCのデータをハッキングする方法を見たことがある」
“I decided I cannot let that happen so I destroyed it. This was in the midst of a period when I wasn’t feeling well. I told my lawyers and my solicitor Mr Eastwood said I shouldn’t do that for data protection reasons.”
訳「ハッキングされればまずいと思ったのでノートPCそのものを物理的に破壊した。ただそのときはちょうど精神状態が最も不安定だった時期だった。弁護士にもその破壊行為を報告したが、データ保護のためといえども証拠となる物証の破壊はダメと言われた。」
フリードマン医師は2011年当時ノートPCを持っていた。そこに疑惑の薬物のデータや注文情報などが入っていたと思われる。しかしそれは2014年にノートPCはギリシャで盗まれたと主張。その後彼は代わりの新しいノートPCを注文し手に入れた。だが、実際は盗まれていたというのは嘘である。古い方も手元にあったのだ。
新しいほうのノートPCは英国アンチドーピング組織のUKAD(UK Anti-Doping)によって2017年に調査されているが、古い方は2019年にGeneral Medical Council’s (GMC)が調査をした。しかし、そのときにはすでに物理的には破壊されてしまっていて、データを閲覧し取り出すことは不可能だった。
破壊した動機・理由を問われたときに述べた理由が上述のとおりデータ保護である。
同時に、「英国自転車連盟(British Cycling)と英国アンチドーピング組織(UK Anti-Doping :UKAD) がデータのバックアップをとっているだろう、だからこれは壊しても問題ないだろう」と誤解していたと語る。
(‘A`)こいつぁ嘘くせぇ!フェイクの匂いがプンプンするぜ!