ケルデルマンはジロでのチームの作戦に不満。2020ジロ第18ステージ
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2021年からBora-Hansgroheで走ることになる今年のジロ・デ・イタリア総合3位のウィルコ・ケルデルマン(Wilco Kelderman)。
そのケルデルマンがオランダの新聞紙ADにて、ジロでのチームSunwebの作戦・指揮に不満を抱えていたことを告白している。
情報源:Kelderman: ‘Ploegtactiek was erop ingericht dat ik dacht: ik ga de Giro verliezen’
2020ジロの第18ステージのチーム指示に不満
今年のジロは予想外なことに前半から長きに渡り、Deceuninck-QuickStepの若い獅子ジョアン・アルメイダ(João Almeida)がずっとマリオローザを支配していた。
しかしそんなアルメイダがついに陥落し、マリアローザの移動が発生したのが第18ステージ。ステルヴィオを登る難関山岳ステージだった。結果、マリアローザの奪取に成功したのが、ウィルコ・ケルデルマンだった。当時の動画をどうぞ。
しかし、このステージは誰が見てても「お!?お!?」と思うものだった。まずそれまで総合成績でケルデルマンからかなり離されていたイネオスのテイオ・ゲイガン・ハート(Tao Geoghegan Hart)が、チームメイトのロハン・デニス(Rohan Dennis)の強力な牽引により最後の山岳で強烈な攻撃開始。
それについていけたのは、ケルデルマンのアシストだったジャイ・ヒンドリー(Jai Hindley)だけだった。
ここで視聴者は思ったはず。「あれ?ヒンドリーはアシストやろ?ケルデルマンのそばにいなくてええんか?」と。
そしてまさにそのことが当時のケルデルマンにとって不満だったと述べている。ヒンドリーの動き自体は、チームの指示によるもので、ヒンドリー自身に対しては一切なんの批判もない。しかし、チームのその指示にはストレスを感じていた。
ケルデルマンとしては、「ヒンドリーがずっとそばにいてくれたならば、イネオス勢とのタイム差を最小限にとどめてそのステージを終えることができた」との想いが今であるもよう。3位に終わったジロ終了後も、「もし第18ステージのステルヴィオでヒンドリーがアシストを続けてくれていれば・・・」と何度も何度も思い返していたらしい。
現実的にならざるを得なかった第20ステージ
第18ステージが終わった時点では上記のように思っていたケルデルマン。その不満は裏がえせば、「自分は優勝できる」とずっと信じていたことになる。そして、それにも関わらず、第18ステージでヒンドリーをイネオス勢についていかせた判断によって、「チームはもう自分が優勝できないと考えているのかもしれない。もう自分は負けるのであろう」と考えるようになったと述べる。
そんなケルデルマンも第20ステージでは現実的にならざるを得なかった。優勝は諦め、表彰台の3位を狙うことに注力せざるを得なかった。当時の映像をどうぞ。
この第20ステージでも、イオネスのデニスの猛烈な牽引が最後の山岳で集団を粉砕した。デニスが第18ステージと同様にゲイガン・ハートを連れてペースアップ。そしてこの2人についていけたのは、やはりヒンドリーだけだった。
イネオスのペースアップについていけなかった時点でもうケルデルマンは自身の力不足を認め、優勝を諦め3位に狙いに切り替えた。現実的な判断をせざるを得なかったのである。
そして最終的にはキャリア初のグランツール表彰台3位を獲得。それ自体は誇らしいものであるが、それでもやはり、「もしあのとき・・・」と考えてしまう日々だったと述べている。
残り17km付近でしたね、ケルデルマンがチームカーから“見捨てられた“のは
海外メディアからもチーム対応に対してずいぶん批判が出たようです
確かにいくら来季移籍するからといって、出場させてるわけだし、しかも総合争ってるのにあれはナイよなぁと思いましたねぇ…
あの判断は、視聴者のみんなもだいぶ疑問・驚愕だったブヒね。
ひょっとしたら監督らは脳内でそうなる場合の脚本をすでに作っていたのかも?