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今日も現地の天気予報のとおり、サイモン・イエーツに有利な快晴。そんな中での1級山岳。ベルナルは無事だったのか?
先日から記事している通り、第19ステージのコースは本来のコースから変更されている。理由はイタリアで発生したロープウェー事故である。
当初の予定では最初の山も1級山岳モッタローネのはずだったが、そこはロープウェー事故現場と関係のある場所なので急遽別の峠に変更された。それが最初の4級山岳扱いのGigneseジニェーゼ峠である。
1級→4級へとレベルが下がったことで本日のステージは難易度が下がったのは事実。しかし1日の獲得標高は2700mに及ぶし、最後の1級山岳アルプ・ディ・メラは、平均勾配9%で登坂距離9.7kmの難所だ。さらに終盤にかけて斜度が上がるタイプの山で14%の激坂区間も存在する。ラスト4.7kmの平均勾配は10.4%の地獄となっている。
この日の総合勢の勝負は、最後の1級山岳アルプ・ディ・メラの途中、ゴールまで残り6kmあたりで幕が上がった。
ベルナルら総合系エースらが集まっていたのが先頭集団だったが、その中からまずはステージ優勝を狙い続けるDeceuninck-QuickStepのジョアン・アルメイダがアタック。だがすぐには他の選手は反応せず。このまま泳がせるのか?と思っていた直後・・・
現在総合3位のサイモン・イエーツが加速!これに、総合2位のダミアーノ・カルーゾや、アレクサンドル・ウラソフ、そしてジョージ・ベネットが反応する。しかし、エガン・ベルナルとイネオス勢が反応しない!ベルナル限界なのか!?
サイモン・イエーツがさらなるアタック!アルメイダやカルーゾらを引きはなして独走開始!翼が生えているかのようなかっこいいダンシングが輝きを放つ!
ベルナルとの差が30秒ほどに開くが、このあとついにダニエル・マルティネスのサポートを受けてベルナルが飛び出し、前を追う!
限界だったのではなく、あえてダメージを最小限に留めるペース走法でこらえていたのか。
そして、総合2位のダミアーノ・カルーゾがベルナルとアルメイダについていけない!
総合成績でイエーツとカルーゾとの差は約1分。イエーツはそんなタイム差を大きく縮めるチャンス!
一方でベルナルとしては、ステージ優勝を狙うアルメイダを利用できる形なので都合が良い。しかしゴールまで残り500mあたりでベルナルが力尽きたか、アルメイダから遅れる。
逃げるサイモンと迫るアルメイダ。この後は次の動画でどうぞ。
A vitória de S Yates na etapa 19 do @giroditalia #giro #giro2021 #giro104 #ciclismonaespn pic.twitter.com/S6A4RNp1gm
— País do Ciclismo (@DoCiclismo) May 28, 2021
サイモン・イエーツで思い出すのはやはり2018年のジロ・で・イタリア。そのときは前半から中盤まで最強だったにもかかわらず終盤で大失速。そんな失敗を糧に臨んだ今大会は、2018年とは真逆の戦略。すなわち前半から中盤までは地味に、しかしこの最終週に全てを賭けてきたのだ。
そんなサイモンが第17ステージ、そしてこの第19ステージと立て続けにライバルたちからタイム差を稼いだ。
胸毛が太陽の光を浴びると強くなる男、それがサイモン・イエーツ。あの胸毛は光合成しているのか?
順位 | 選手名 | チーム | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|
1 | Egan Arley BERNAL GOMEZ | INEOS GRENADIERS | 81:13:37 | 00:00 |
2 | Damiano CARUSO | BAHRAIN VICTORIOUS | 81:16:06 | 02:29 |
3 | Simon Philip YATES | TEAM BIKEEXCHANGE | 81:16:26 | 02:49 |
4 | Aleksandr VLASOV | ASTANA – PREMIER TECH | 81:19:48 | 06:11 |
5 | Hugh John CARTHY | EF EDUCATION – NIPPO | 81:20:47 | 07:10 |
6 | Romain BARDET | TEAM DSM | 81:21:09 | 07:32 |
7 | Daniel Felipe MARTINEZ POVEDA | INEOS GRENADIERS | 81:21:19 | 07:42 |
8 | João ALMEIDA | DECEUNINCK – QUICK-STEP | 81:22:03 | 08:26 |
9 | Tobias S. FOSS | JUMBO-VISMA | 81:23:56 | 10:19 |
10 | Daniel MARTIN | ISRAEL START-UP NATION | 81:27:32 | 13:55 |
11 | George BENNETT | JUMBO-VISMA | 81:35:07 | 21:30 |
12 | Koen BOUWMAN | JUMBO-VISMA | 81:42:21 | 28:44 |
13 | Pello BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA | BAHRAIN VICTORIOUS | 81:45:57 | 32:20 |
14 | Attila VALTER | GROUPAMA – FDJ | 81:51:55 | 38:18 |
15 | Davide FORMOLO | UAE TEAM EMIRATES | 81:54:53 | 41:16 |
マリア・ローザ(総合首位) | Egan Bernal |
マリア・チクラミーノ(ポイント賞) | Peter Sagan |
マリア・アッズーラ(山岳賞) | Geffrey Bouchard |
マリア・ビアンカ(ヤングライダー賞) | Egan Bernal |
総合3位のサイモン・イエーツと2位のダミアーノ・カルーゾとの差が、1分強から20秒までに縮小!ここしばらくクライミング能力を考えると、サイモンのほうが圧倒的に強い。明日は地獄の山岳ステージ。カルーゾは2位から転落する可能性が大きい。
ただ、そんなカルーゾも総合4位のウラソフとは3分30秒以上の差があるので、最低でも3位はキープできそうか?
またベルナルとサイモンとの差も少し縮まったが、ベルナルが個人TTを苦にしないタイプなのでまだかなり安全圏内といえる。だがサイモン逆転の可能性がゼロでないのも事実。
ついに今大会最後の山岳ステージだ。ご覧のとおり1級山岳が3つ詰め込まれている。もちろん難易度は最高の★5つ!
最終日の個人TTで逆転を狙う選手はこの山岳でタイム差を縮めておきたい。まだベルナルは安全圏内といえるが、明日もしバッドデイが訪れれば「もしかしたら」が見えてくるかもしれない。