マチューが行ったポジション変更や機材の変更とは?2021ツール・ド・フランス第5ステージ個人タイムトライアル
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昨夜の第5ステージ個人タイムトライアルで、圧倒的な強さを見せつけステージ優勝を果たしたタデイ・ポガチャル。総合1位のマチュー・ファン・デル・プールはそんなポガチャルからかろうじて僅差でマイヨ・ジョーヌを死守した。
そんなマチューは総合1位死守のために、チームのスポンサーではない企業のカーボンホイールを調達した。それがイネオスから購入したPrinceton CarbonworksのカーボンホイールWake 6560とBlur 633だ。
しかしそれら以外にも総合1位をなんとしても守るため、様々な点でエアロ性能と速さを追求。チーム一丸となって前日の真夜中まで必死の調整作業を繰り返していたもよう。そして、ポジションすら何箇所も変更したようだ。
情報源:Mathieu van der Poel: I knew I had the watts somewhere, it was just a matter of position
この日優勝したポガチャルはタイムトライアル用スーツではなく普通の新人賞ジャージを着ていたが、マチューはツール公式スポンサーのルコック(Le Coq Sportif)が用意したマチューだけの特別製スキンスーツで登場。前日の夜までに完璧に彼にフィットするよう仕立てられた。もちろん1秒でもタイムを縮めるべくエアロ性能を向上させるためだ。
さらに普段使うAbus社のGamechanger TTヘルメットではなく、Jumbo-Vismaも使うLazer Volanteを使用。加えてNoPinzととAerocoachとが共同で作ったオーバーシューズを履いた。
そして最も肝心な点であるポジション変更も実行。ハンドルを少し上げて、よりエアロになるよう改善させた。
こうした努力がマイヨ・ジョーヌ死守の結果として結実したのだ。この日のタイムトライアルはマチューの輝かしいキャリアの中でも特に記憶に残る特別なレースとなったようだ。
“I have to thank the team, everything turned out better than we even expected. The yellow jersey gave me wings, it was special riding through the crowds in this jersey.”
訳「チームに感謝しなければならない。全てが予想以上に上手くいった。マイヨ・ジョーヌは自分に翼をくれた。それを着て観衆の中を走るのは特別な体験だった」
マチューはツール前にツール・ド・スイスでタイムトライアルをやっていたが、その時はある意味ただ走るだけものものだった。決して勝利を狙うとかタイムを狙うとかではなかった。ただの消化ステージとしての扱い。
しかし今回は違った。「全てがガチ」モード。機材、ポジション、作戦・・・あらゆる点でタイムを縮めるべく最善を尽くした。ステージレースで総合成績を狙うとはどういうことなのか、タイムトライアルがどれだけ特別なのかを実感したのだ。マチューとしても人生初の経験だっただろう。
だがこうした努力がその日の成功につながったのは確かだろう。
昨日のハイライト動画はこちら。
1日マイヨジョーヌを着るだけでも、本人としてもチームとしても大成功ですけど、パリまで着られるわけではないマイヨジョーヌを守るためにここまで力を尽くせるのはすごいですね。
マチューの実力もありますが、ホイールの調達からポジション変更までわずかな期間で仕上げてきて、みんなで守り抜いた価値のあるマイヨジョーヌになりました。映画化決定です。ジェイソン・ステイサムにも運び屋役で出てもらいましょう。
全米が泣いた!?今年の最高傑作映画が爆誕!
むしろ運び屋のジェイソン・ステイサムが主役になりそう・・・