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ここ2、3年の間にロードレース界のグレーゾーンの物質といえばケトン。有名になったのはJumbo-Vismaが使っていることが知られてからだろうか。
またケトンとともにグレーゾーンなものの1つとしてコルチコステロイドというものもある。
これらグレーゾーン物質についてチームDSMのエースにして超級クライマーのロマン・バルデがその使用を完全に禁止するよう主張している。
情報源:Bardet: We need to ban substances that sit in the grey area
これらの物質は、現時点ではUCIとWADA(世界アンチドーピング機構)による禁止薬物リストには入っていない。
一方で、それら両組織と異なる独自の規制を実施している団体MPCC(一部のプロチームなどによって組織された自治団体)は、それらグレーゾーン物質の使用に反対している。
このMPCCに参加しているプロチームは使っていないと思われるが、参加していないチームも多く、それらの中にはケトンなどを使用しているチームもある。その1つが、上述のようにJumbo-Vismaだ。他の有名どころではINEOS Grenadiersも参加していない。
現時点におけるMPCCに参加しているワールドツアーチームは、以下の10チーム。
バルデの所属するチームDSMはご覧おとおりMPCCのメンバーなので、バルデがグレーゾーン物質の全面禁止を求めるのは当然だろう。
かつて所属していたAG2RもMPCCのメンバーなので、ひょっとしたらそもそもバルデはMPCCのメンバーとなっているチームに移籍したかったのかもしれない。
昨年のツール・ド・フランスではナイロ・キンタナのアルケア・サムシックへのガサ入れがあって大きな話題となったのを覚えているだろうか。関係者が二人拘束されるなどした。以下の関連記事をまた見ておいてもらいたい。
関連記事:CCCはArkéa-Samsicにも買収オファーを出していたことが判明
そして今年のツール・ド・フランスでは、その期間中にバーレーン・ヴィクトリアスへのガサ入れが実施された。
その際にドーピング検査のためのサンプルが押収されたのだが、そのうち3つにチザニジンという筋弛緩物質の反応が出た。
チームは当初チザニジンの使用を否定していたのだが、その後に態度を転換。チザニジンを使っていたことは否定せず、同時に使っていたとしてもその物質は禁止薬物ではないこと、つまりグレーゾーンだからセーフということを強調していた。
今回のバルデの発言は、自転車雑誌Rouleurが開催したロンドンでのイベントにおいて、バーレーン・ヴィクトリアスのその騒動ついて質問されたときにバルデが述べたものだ。
バルデがそのようなグレーゾーン物質の全面禁止を求める本質的な理由についてだが、情報源記事によると、
バルデ「選手の健康にどんな悪影響があるのか判明するまでに長い時間がかかる」
ということだ。彼は、長期的な選手の肉体への悪影響を懸念している。またコロナ禍で、レース中以外の場面でのドーピング検査がかなり減少しているとも述べる。
なおかつてグレーゾーンだったトラマドールは2019年に禁止薬物リスト入りしている。次の関連記事もまたどうぞ。