UCIがドロッパーシートポストについて見解を発表。2022ミラノ～サンレモでマテイ・モホリッチが使ったダウンヒル用秘密兵器

今年第一発目のモニュメント、ミラノ～サンレモ。その優勝者マテイ・モホリッチ（Matej Mohoric、バーレーン・ヴィクトリアス）の下りのヤバさも、そして彼が使っていた秘密兵器、ドロッパーシートポストにも注目が集まった。

みんな知っていると思うが、ドロッパーシートポストはもともとはMTB発（？）の技術。手元のボタン1つでシートポストの高さを調整できるもの。

下りでシートポストを短くすれば（サドル高さを低くすれば）、低重心化による安定、空気抵抗の軽減、咄嗟のときへのバイクコントロールのしやすさの向上、また落車してもより低い位置から倒れることでダメージ軽減などのメリットがある。

ただ1つ懸念があったのは、「これUCIルール的にどうなの？」ということ。だがミラノ～サンレモ後にUCIがこの件いついて声明を発表した。

UCI公式：UCI statement concerning dropper seatposts

The UCI Equipment Commission approved the use of dropper seatposts in road cycling competitions in 2014. Their use is subject to the minimum 5cm setback rule of article 1.3.013 of the UCI Regulations, i.e., when the dropper seatpost is set to its highest or lowest setting, the saddle setback must be in full compliance with article 1.3.013.

訳「すでに2014年にロードレースでのドロッパーシートポストの利用は承認してるよ。UCIがルールの1.3.013の項目に従っていなければならない。つまり、ドロッパーシートポストを最大の高さや最小の高さにしたときに、1.3.013の項目を完全に守らなければならない」

このUCIルール1.3.013とは、サドル後退量についてのものだ。次のように書かれている。

The peak [ie the front] of the saddle shall be a minimum of 5cm to the rear of a vertical plane passing through the bottom bracket spindle.

これは簡単にいえば、BB軸からトップチューブに向けて（地面からの）垂線を引いて、その線とサドルの先端との間が最低5cmは離れていなければならないというもの。いいかえれば、あまりにも前乗りになるようなサドル位置はダメということ。

これはあくまでサドルの前後位置の規定であって、サドルの高低の規定ではない。この前後位置の規定1.3.013さえ守っていれば、よほどのことがない限りドロッパーシートポストの使用はOKということ。