病人が11人のクイックステップとロンド・ファン・フランデレン
Share your love
この日曜日にロンド・ファン・フランデレンを迎えるわけだが、現地ベルギーチームの1つで、かつてクラシックを席巻していた最強チーム、クイックステップが苦境にある。
その理由は、体調不良の選手が続出していることだ。
情報源:More QuickStep-Alpha Vinyl riders fall ill, with 11 riders out at one stage
体調不良続出
現時点ではチームのボス、パトリック・ルフェーブルも体調が優れず、また選手に至っては11人もの選手が体調不良に陥っている。
直近ではアンドレア・バジオーリ(Andrea Bagioli)とマウロ・シュミット(Mauro Schmid)が病気リスト入りした。
それらの選手のうち何人かはすでに回復途上にあるようだが、まだフルパワーで走れるまでには回復できていないらしい。
そのようなチームがそのような状態なので決してこれまでのような最強チームでロンドに臨めるわけではないだろうが、ルフェーブルは、「幸いにも今年はパリ~ルーベはフランス大統領選のせいで日程が後ろへズレたので、その頃にはみんな回復しているだろうと」と述べ、パリ~ルーベでは万全の状態で戦えるかもしれないとの期待を寄せる。
ワウト・ファン・アールトの欠場について
昨日も書いたが、優勝候補の筆頭にしてユンボ・ヴィズマのエース、ワウト・ファン・アールトも体調不良のためロンドには出場しない可能性が高い。
もしそうなればクイックステップにも有利だと思われるのだが、ルフェーブルはそのような楽観的な考え方はしていない。
情報源:Lefevere: Absence of Van Aert won’t give QuickStep advantage in Tour of Flanders
この記事によると、オンライン上の記者会見でルフェーブルは次のように語った。
“Maybe some competitors will say it’s OK he’s not there, but I don’t think so,”
訳「選手の中にはファン・アールト欠場がいいことだと考える者もいるだろうが、そうは思わない」
“Mathieu and Wout are always racing à bloc: they don’t speculate, they don’t play games. And I think we saw in the last few years, when they were competing together, it was sometimes good for us.”
訳「マチューとワウトはいつもいっしょに競いあっている。彼らはいつも全力で優勝を狙っているわけ。でも、ここ数年をふりかえると、そうして2人いっしょの状態がクイックステップにとって都合が良かったということもあったわけよ」
マチューとワウトが2人いっしょならば、クイックステップの作戦的にも有利になることがあったが、ワウトが欠場すればその前提が消える。そうなればクイックステップに都合がいい展開になる可能性も少なくなるのではないか。おそらくルフェーブルはそう考えているのだろう。
それゆえ、昨年度優勝のカスパー・アスグリーン(Kasper Asgreen)を単独エースに据えるが、決して守りに入るのではなく、アグレッシブに行きたいと述べる。
少なくともストラーデ・ビアンケからミラノ~サンレモ、そして今年のここまでのセミクラッシクレース群で、クイックステップは苦戦続きと言わざるをえないだろう。過去のクラシックでの圧倒的チーム力というのが鳴りを潜めている。そして上述のような病人続出というチーム状態。
はたして地元の大舞台ロンド・ファン・フランデレンでクイックステップはどんな作戦に出るのか?