ロマン・バルデ「プロトン内部でもっとお互いに敬意を払う必要がある」。バルデが考える2022リエージュでの大落車の教訓
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日曜日のリエージュで発生した大落車。巻き込まれて道路下へ転落した世界王者ジュリアン・アラフィリップは肋骨などの骨折に加えて血気胸の重傷。
同時に巻き込まれたチームDSMのエースでアラフィリップと同じフランス人のロマン・バルデは、九死に一生を得てほぼ無傷だった。転落したアラフィリップには道路上の誰もが気づかなかった状況で、バルデはいち早くアラフィリップのひどい状況に気づき、彼を助けようと行動していた。
バルデ本人が「悪夢そのもの」だったと表現するその大落車について、彼は「もっとプロトン内部でお互いへのリスペクトが必要」と主張する。
情報源:Bardet calls on riders to show more respect after Liege-Bastogne-Liege crash
事故当時のことについてバルデは次のように語る。
“I saw everything as it happened. I was just behind Tom Pidcock and Jérémy Cabot when they collided. The responsibility you have when you take risks to get to the front can have serious consequences for the 100 guys behind you.
訳「大落車のときは全てを見ていたよ。ちょうど自分はピドコックの後ろにいたんやけど、ピドコックがトタルエネルジーのジェレミー・カボ(Jérémy Cabot)と接触したんよ。わざわざ危険をおかして集団前方に出ようとするなら、自分の後ろにいる100人も危険にさらすというのを考えなアカンよ」
昨日の記事で、トム・ピドコック(Tom Pidcock)のレース後のコメントについて、「ピドコックリエージュ大落車のきっかけはトタルエネルジーの動き」という記事を書いたが、今回のバルデのコメントによって大落車のきっかけがより具体的になった。
そしてバルデが転落したアラフィリップを発見した状況については、
“I was very scared for Julian. I fell on the same side and I saw him three metres below me. He told me: ‘I can’t move, I can’t move.’ No one was coming,”
訳「アラフィリップの状態がとてもヤバく見えたのよ。自分も同じ側に落ちたんやけど、自分よりさらに3メートル下にアラフィリップが落ちてたわけ。そのときアラフィリップは『アカン、動かれへん、動けへん』と言ってた。そのときは誰も助けに来ようとしてなかったね」
そしてバルデは、今回の大落車をふまえて改めて選手たちそれぞれが負うべきプロトン内の共通の責任というものを考え直すことになった。特定の誰かを責めようとしているわけではなく、あくまでプロトン全体が共有すべき責任を考える。
すなわち、選手1人1人が、自分の行動によって周囲の選手がどうなるかを考えて行動しなければならないこと、相互に相手をリスペクトすること、そしてそれをすれば今回のような悲劇を終わらせることができるかもしれないこと。バルデはこういったことを今回の件の教訓とすべきと考える。