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スペインのワールドツアーチームMovistarの偉い人が、UCIのポイントシステムについて「狂っている」と批判している。
情報源:UCI points system ‘madness’ and ‘unfair’ says Movistar boss
これまで何度も書いてきたが、来年度の2023年シーズンのワールドツアーのライセンスを得られる資格は、原則的に2020~2022の3年間のUCIポイントによって決定される。そしてProTeamのアルペシン・フェニックスやアルケア・サムシックがワールドツアー昇格を狙っていることから、ワールドツアーの椅子取りゲームが始まっている。
つまり、現在のワールドツアーチームの中からProTeamへ降格となるチームが出てくる可能性が高い。
現時点ではロット・スーダルやイスラエル・プレミアテックなどが危ないのだが、他にもいくつか降格争いの沼に足を踏み入れそうなチームはある。そのうちの1つが、スペインのモビスター(このブログではモビ☆スタ)だ。
現在のUCIポイントのチームランキングでそのトップ23までのチームのうち、下位のチーム順位とポイントを掲載しておく。これは6月7日時点でのものだ。
順位 | チーム | UCIポイント |
15 | Cofidis | 13087 |
16 | Movistar | 12966 |
17 | BikeExchange-Jayco | 12536 |
18 | EF Education-EasyPost | 12400 |
19 | Lotto Soudal | 11966 |
20 | Israel–Premier Tech | 11526 |
21 | TotalEnergies | 8131 |
22 | Uno-X | 5780 |
23 | B&B Hotels – KTM | 5207 |
モビスターはなんといっても今年の春のクラシックシーズンで、あまりポイントを稼げなかったのが痛い。
最近は昨日終わったクリテリウム・デュ・ドーフィネの第7ステージで、カルロス・ベローナ(Carlos Verona)が優勝したものの、エースだと思われたエンリク・マス(Enric Mas)は途中で大会をリタイア。
また今年のワールドツアーで上位入賞を重ねているのは引退予定の42歳、アレハンドロ・バルベルデおじさんだけだ。ていうか、このおじさんがおかしいだけかもしれないが。
ようするに、来年度のワールドツアー入りについてすら、今年引退する42歳のおじさんに頼っているのが現状と言わざるをえない。会社でいうと退職間際のおじさんに会社が依存している状態。やばい。
そうはいっても背に腹は代えられない。そこでチームのボスEusebio Unzuéは、バルベルデに相談。
「あのーほんと申し訳ないんですけどー、本来なら出場予定じゃなかったモン・ヴァントゥチャレンジ(Ventoux Challenge)とルート・ド・オクシタニー(Route d’Occitanie)に出て、ポイントを稼いできてくれないでしょうか?」
と言ったかどうかはわからないが、これら2つのレースに出てくれるようバルベルデに要請したようだ。
幸いにもバルベルデは大きな怪我もなく今年は絶好調。コンディションがよければ当然上位入賞に可能性は高い。
バルベルデは引退シーズンとなる今年のグランツールはジロとブエルタ。ツール・ド・フランスには出場しない予定だが、こんなチームの現状を考えると、
(‘A`)「あれ?これひょっとしたら、ツール・ド・フランスにもバルベルデを出さざるを得ないんじゃね?」
とちょっとした期待をしてしまう。
モビスターのボスEusebio Unzuéは、現行のUCIポイントシステムについて、ワールドツアーレースのステージレースにに配分されるポイントが、それより下のカテゴリーのレースよりも少ないことを批判する。
Eusebio Unzué「配分の仕方がおかしいやろ。是正されなければならない」
まさに最近のロット・スーダル、そしてジロに招待されながらもあえて出場しない方針を選んだProTeamのアルケア・サムシック。これら2チームがワールドツアー以外でポイントを稼いでいること、そしておそらくそれを重視した戦略を取っているのは、こういったポイント配分の現実があるからだろう。