ユンボ・ヴィズマに緊急事態！？2022ツール第15ステージの感想・ハイライト動画・結果

さきほどの記事でユンボ・ヴィズマのプリモシュ・ログリッチ（Primož Roglič）が今年もツール・ド・フランスをリタイアしたことを伝えた。それは第15ステージがスタートする前のこと。

そしてレース中にもユンボ・ヴィズマのアシストが2人落車してしまい、そのうち1人がリタイアするハメになってしまった。

第15ステージのコース

以下の記事を見ておいてほしい。

【2022ツール】今日の第15ステージのコースは？

展開と感想

ユンボ・ヴィズマに緊急事態！アシストが2人落車、クライスヴァイクがリタイア！

上述のようにプリモシュ・ログリッチがスタート前に第5ステージでの落車を原因としてリタイア。

そして今日のレースでも残り64kmとなった時点で、ステフェン・クライスヴァイク（Steven Kruijswijk）が落車。

どこかを骨折したのだろうか、救急車に運ばれツールをリタイア。ユンボ・ヴィズマが誇る山岳のアシストが今日だけで2人いなくなってしまった。

第三週からの山岳ステージでのアシストの負担が残されたメンバーに増大するわけだが、特にワウト・ファン・アールト（Wout van Aert）はグリーンジャージをキープすることと、ヴィンゲゴーのアシストの両方を務めなければならない。ただでさえ今大会のワウトは相当働いているように思えるのだが、果たして彼の疲労度は大丈夫なのか？

さらにユンボの不幸は続く。

さきほどの落車から少し進んだところでまた落車。今度はエースのヨナス・ヴィンゲゴーとティシュ・ベノート（Tiesj Benoot）だ。

これら2つの落車ともに原因や詳細は不明。ヴィンゲゴーはご覧のとおり無事に走り出して、その後はしっかりプロトンにおいつき、プロトン前方でポガチャルをマークしながら走っていたので特に問題はないと思われる。

UAEもコロナでジョージ・ベネットとヴェガール・ステイク・ラエンゲンがいなくなっているが、一方でユンボ・ヴィズマは昨年から落車が多いような印象。今年もコロナではなく落車でログリッチとクライスヴァイクがいなくなってしまった。またティシュ・ベノートの負傷の程度も気になるところだ。

こういったことが最終週にどこまで影響を及ぼすだろうか。

逃げ vs スプリンターチーム！

今日はゴール前スプリントになる可能性が高いが、BikeExchange-Jaycoのエーススプリンターのディラン・フルーネヴェーヘン（Dylan Groenewegen）が遅れていた。

そこで先行するメイン集団にいたTrek-Segafredoが人数を揃えてその集団を積極的に牽引。

Trek-Segafredoはマッズ・ピーダースン（Mads Pedersen）を勝たせたいので、フルーネヴェーヘンのような強力なトップスプリンターが戻ってくると困る。そこでメイン集団の速度を上げて突き放そうという魂胆。

一方でBikeExchangeはフルーネヴェーヘンをなんとかその集団に戻そうと追走集団を引っぱる。

一昨日の第13ステージでは追走のタイミングが遅れたため、結局逃げを捕まえられなかったBikeExchangeだが、今日はその二の舞とならないためにも必死の追走。

関連過去記事：ガンナ＆キュングのTTスペシャリストの逃げ！2022ツール第13ステージの感想・ハイライト動画・結果

その甲斐あってフルーネヴェーヘンはなんとか前方のメイン集団に復帰することに成功。ただ問題はスプリントする脚が残っているのかということと、チームのアシストの体力がどうなのか。弱った力ではゴール前での位置取りやトレイン合戦に勝てないのではないだろうか。

そしてこの日最後まで逃げ続けたのが、Cofidisのスピードスター、ベンジャミン・トーマス（Benjamin Thomas）。もともとトラック競技の強豪選手で、昨年は世界選手権のポイントレースで世界王者になっている。また2021年のフランス選手権ロードレースと個人タイムトライアルで二冠を達成している。

残り1km！まだ粘る！

残り600m！まだ前！

ここから結末は次の動画で。

(´・ω・`)「ダメだったよ･･･でもよくやった！」

一方ようやく、ようやくアルペシン・フェニックス（Alpecin-Fenix）は今年のツールで1勝目を挙げることができた。

昨年のマチュー・ファン・デル・プール（Mathieu van der Poel）がセンセーショナルなツール・ド・フランスデビューを飾ったときとは全く違い、今年はそのマチューも本調子でないような感じで、あまり目立たないままで、そして結局第11ステージでリタイアしてしまった。

関連過去記事：マチュー・ファン・デル・プールがリタイア。改めて思う新城幸也の凄さ。2022ツール・ド・フランス第11ステージ

正直このまま同チームは勝てないまま終わるのかと思っていたのだが、なんとか勝利をもぎとったという感じ。

この後第19ステージと第21ステージ（最終日のパリのシャンゼリゼ）しかもうスプリンターが勝てる日はない。

今大会はこれまで各ピュアスプリンターはマーク・カヴェンディッシュのように連続して勝てていない。ファビオ・ヤコブセン（Fabio Jakobsen）、ディラン・フルーネヴェーヘン（Dylan Groenewegen）、そして今日のヤスパー・フィリプセン（JasperPhilipsen）がそれぞれ1勝ずつ。カレブ・ユアン（Caleb Ewan）にいたっては不運の連続でゼロ勝。

ワウト・ファン・アールト（Wout van Aert）が2勝しているが、このおにーちゃんは意味不明な存在なので別枠。

はたして残り2つのステージで誰が勝つのか。それともワウトがかっさらっていくのか？

ハイライト動画

結果

ステージトップ10

順位	選手名	チーム名	1位とのタイム差
1	ヤスパー・フィリプセン（JasperPhilipsen）	Alpecin-Fenix	0
2	ワウト・ファン・アールト（Wout van Aert）	Jumbo-Visma	〃
3	マッズ・ピーダースン（Mads Pedersen）	Trek-Segafredo	〃
4	ピーター・サガン（Peter Sagan）	TotalEnergies	〃
5	ダニー・ファン・ポッペル（Danny van Poppel）	Bora-hansgrohe	〃
6	ディラン・フルーネヴェーヘン（Dylan Groenewegen）	BikeExchange-Jayco	〃
7	フロリアン・セネシャル（Florian Sénéchal）	Quick Step-Alpha Vinyl	〃
8	ルーカ・モッツァート（Luca Mozzato）	B&B Hotels – KTM	〃
9	アンドレア・パスクアロン（Andrea Pasqualon）	Intermarché-Wanty-Gobert Matériaux	〃
10	フレッド・ライト（Fred Wright）	Bahrain Victorious	〃

総合トップ10

順位	選手名	チーム名	1位とのタイム差
1	ヨナス・ヴィンゲゴー（Jonas Vingegaard）	Jumbo-Visma	0
2	タデイ・ポガチャル（Tadej Pogačar）	UAE Team Emirates	2:22
3	ゲラント・トーマス（Geraint Thomas）	INEOS Grenadiers	2:43
4	ロマン・バルデ（Romain Bardet）	DSM	3:01
5	アダム・イエーツ（Adam Yates）	INEOS Grenadiers	4:06
6	ナイロ・キンタナ（Nairo Quintana）	Arkéa-Samsic	4:15
7	ルイス・メインチェス（Louis Meintjes）	Intermarché-Wanty-Gobert Matériaux	4:24
8	ダヴィ・ゴデュ（David Gaudu）	GroupamaｰFDJ	〃
9	トム・ピドコック（Tom Pidcock）	INEOS Grenadiers	8:49
10	エンリク・マス（Enric Mas）	Movistar	9:58

各賞ジャージ

ジャージ	選手名	チーム名
マイヨ・ジョーヌ（総合首位）	ヨナス・ヴィンゲゴー（Jonas Vingegaard）	Jumbo-Visma
マイヨ・ヴェール（ポイント賞）	ワウト・ファン・アールト（Wout van Aert）	Jumbo-Visma
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ（山岳賞）	シモン・ゲシュケ（Simon Geschke）	Cofidis
マイヨ・ブラン（新人賞：25歳以下）	タデイ・ポガチャル（Tadej Pogačar）	UAE Team Emirates