バーレーンはデュラエースではなくXTR用180mmディスクブレーキローターを使用。2022ツール・ド・フランス
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今やすっかり当たり前になったディスクブレーキ搭載ロードバイク。このブログを始めた2016年あたりからプロの業界でも話題なりだし、2017年にはトム・ボーネンがUCI公式ロードレースとして史上初のディスクブレーキ搭載ロードバイクによる勝利を挙げた。
ただその頃はまだディスクブレーキの安全論争が世界中でなされていて、「危険派・反対派 vs 安全派・賛成派」に分かれて喧々諤々の論争が繰り広げられていた。
しかし本当にいつのまにかそんな論争もなくなり、すっかりプロトンではディスクブレーキが主役。平坦ステージはもちろん山岳ステージでもディスクブレーキというのも当たり前になった。
(‘A`)「ホンマ、あの安全論争は一体なんだったのか(懐古趣味」
そんな現在、ロードバイク用ディスクブレーキに関する論点の1つが、ディスクブレーキのローターのサイズはどれが正解なのかというもの。小さいほうが空力や重量という点で有利?それとも実は大きなほうがいい?
そんな中、今年のツール・ド・フランスではディスクブレーキのローターで180mmという大型サイズを使っているチームがあるようだ。
情報源:Is bigger better? 180mm disc brake rotor spotted on Tour de France bike
バーレーン・ヴィクトリアスはデュラーエースではなく、シマノのMTB用コンポXTRのローターを使用
その180mmサイズのローターを使っているのは、Bahrain Victorious。
現在のプロトンでの主流のローターのサイズは140mmか160mm。基本的に140mmのほうが制動力は弱め。
したがって小柄で軽量な選手は140mmを使うことが多いようだ。体重が軽いため下りでもより少ない制動力で減速できる、そして、ローターが熱くなりすぎることも少ないと思われる。加えて、上述のように小さいほうが空力や重量という面で有利かもしれない。
Bahrain Victoriousにコンポを提供するのはシマノだが、シマノは同チームにR9200デュラエースを供給している。しかしシマノはロードバイク用ディスクブレーキローターとしては140mmと160mmしか展開していない。
そこでBahrain VictoriousはシマノのMTB用最高級コンポXTRのローターを組み合わせているようだ。
なぜデュラーエースではなくXTRのローターなのか?
なぜ同チームがMTBコンポXTRの180mmローターを使っているのかといえば、これまでのデュラエース用ローターは、熱を持ちすぎると歪んでブレーキパッドに擦れてしまうことがあるから、ということらしい。選手から不満が出たのだろう。
XTR用の180mmローターでは、デュラエースのローターを使うときと比べて、パッドとローターとの隙間が10%ほど広くなり、たとえローターが多少変形してもパッドに擦れにくくなるらしい。
(‘A`)「へぇ~そうなんだ(無知)」
だったらシマノのデュラエースを使う他チームもみんなXTR用の180mmローターを使えばいいんじゃないの?と思うが、やはりデメリットもある。
上述のように大きいほうが重量が増えることだ。
前180mm後160mmの場合、前160mm後140mmと比べると60~70g重くなるらしい。
またパンクなどのトラブルの際にホイール交換が必要になるが、通常サイズのローターでない場合はそういった作業のときに困難に陥る可能性がある。
また、大型ローターを使うほどの制動力は、タイヤの路面との接地面積との関係でロードバイクのレースには不要という考えもある。
シマノがコンポを供給している他チームでも同じセッティングをしているチームもありそう?