UCIが個人タイムトライアルのチームカーについてルール変更へ。2023年1月1日から適用。
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UCIは断続的にルールを修正しているが、2023年1月1日から適用される新ルールがいくつかある。そのうちの1つが以前から紹介しているジュニアギアの撤廃だ。次の過去記事をまた読んでもらいたい。
そしてジュニアではないエリートロードレース界でも来年から適用される新しいルールがある。今月9月23日に改正されたUCIルールでは、次のようなものがある。
この「Chapter Ⅳ」のところは個人タイムトライアルについてのルールなのだが、そこには、
The following vehicle shall follow at least
1015 meters behind the rider, shall never
overtake him nor draw up level with him. In the case of a breakdown, technical support
may be rendered only with the rider and vehicle stationary and the following vehicle shall
not hinder anyone else.
という書かれている。
これは個人TTでの選手の後方を走るチームカーについて、選手との距離をこれまでの10メートルから15メートルに広げるという修正だ。
最近のタイムトライアルでは、選手後方のチームカーの屋根に本来なら不要なはずの大量のスペアバイクを積んで選手に追走するのが流行りだ。特にエースとなる選手にはそのようなチームカーの用意がなされる。
それは後方のチームカーによって前方を走る選手にとって有利なエアロ効果が生じるからだ。この効果は過去に紹介している。次の記事を読んでほしい。
過去記事:後方で走るチームカーが生み出すエアロ効果。なぜイネオスとクイックステップのチームカーに大量のTTバイクが積まれたのか、その理由。2022ティレーノ~アドリアティコ第1ステージ
しかし2023年1月1日から選手との距離がこれまでより5メートル分広がることで、そうしたチームカーが生み出すエアロ効果が減衰されるかもしれない。
なぜUCIが今回このような個人TTのルール改正をしたのか、その背景・動機は不明だが、この改正にによってまた各チームがなにか新しい作戦をなにか考えてくるかもしれない。