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スポーツに政治を持ち込むなとはよく言われる言葉。実際には直接的に政治をスポーツに持ち込むことはあまりない。しかし間接的にはいろいろ影響を及ぼす。東京五輪の汚職とかね。
そしてロードレースの世界でも政治、特に宗教に起因するような政治信念が特定のプロチームにマイナスの影響を及ぼすことがあるのかもしれない。
↓の記事を見てそう思った。
情報源:HAD ISRAEL-PREMIER TECH NEEDED THE POINTS, THEY WOULDN’T HAVE FOUND THEM IN LANGKAWI
昨日マレーシアで開催されていたステージレースのツール・ド・ランカウィが終了した。そこにほぼワールドツアーからProTeamへの降格が確定しているチームイスラエルこと、イスラエル・プレミアテック(Israel-Premier Tech)は出場していなかった。いや出場できなかった、というほうが正しいか。
浅学菲才の🐷であり恥ずかしながら、マレーシアとイスラエルには国交がないことに気づいていなかった。そもそも毎年ツール・ド・ランカウィに関心を持っていなかったというのもあるが。
マレーシアは他宗教国家であるがイスラム教が多数派(6割強?)、もちろん政治的にもイスラム寄りだろう。イスラエルはユダヤ教。宗教的観点から国対国という関係でとらえれば国交がなくてもなんの不思議もない。
これまでもイスラエルのスポーツ選手がマレーシアで興行を行うときには特別な許可があった場合のみ。1997年にイスラエルのクリケットチームがマレーシアで試合をしたときは、マレーシア街頭では激しい抗議デモ活動が繰り広げられたようだ。
今年のツール・ド・ランカウィは、UCIポイント獲得のためか例年とは大きく異なり多くのワールドツアーチームが参戦した。
そして今年はチームイスラエルも主催者側に参加希望を出していたようだ。だが拒絶された。やはり国交の問題があるかだろう。
ただチームイスラエル側は「UCIポイント獲得が目的ではなく、今後の未来のための参加申請だった」と話す。
政治的・法的にはそういう仕組だから仕方ないという問題だが、レースに参加できないとUCIポイントは当然ゼロ。ほかチームは獲得可能性があるのに、そもそも参加できないとその可能性すらゼロだ。
宗教・政治という観点からは、チームイスラエルはイスラム教がメインの中東のレースにも参加しにくい。その一例がサウジ・ツアーだ。参加できないのでUCIポイントは絶対に稼げない。
このようにチームイスラエルには宗教的・政治的な観点からUCIポイント争奪戦において他のチームと比べて不利となる点があるのかもしれない。こうした点をチームイスラエルはスポーツ仲裁裁判所CASで主張し、降格ルールの見直しをUCIに迫る可能性があるかもしれない。