トム・ピドコックのジレンマと苦悩:体重の軽さとパワー不足
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シクロクロスの「ビッグ3」こと、ワウト・ファン・アールト、マチュー・ファン・デル・プール、そして現シクロクロス世界王者のトム・ピドコック。
このうちピドコックはMTBでも東京五輪金メダル、そしてロードレースでは今年のツール・ド・フランス第12ステージの超級山岳ラルプデュエズで優勝。
だがそんなピドコックは、ワウトやマチューに比べてシクロクロスでは体重とパワーが不足しているため、彼らに勝つのは難しく厳しい戦いになることを認める。
ピドコックのコーチは、シクロクロス特有の泥のレースでは体重とパワーが重要で、ワウトやマチューは体重が80kgほどだが、ピドコックは58~60kgしかないと話す。そしてピドコック自身も体重不足とパワー不足による不利を認める。
そして、これからはシクロクロスよりも体重の軽さが有利に働くことの多いロードレースのほうにより注力していく可能性を話す。
軽量さはロードでは有利、シクロでは不利。パワーを求めて体重を増やせばシクロで勝つ可能性は広がる。ただしロードレースでは逆に勝てなくなる。
そんなジレンマが彼の中にあるようだ。ただそれはすべてのスポーツ選手の悩みかもしれない。ベストな体重を見出す難しさはどの選手にもあるだろう。
だがそれを言うピドコックは、まぎれもなくシクロの世界王者であり、大柄な選手が多い普段のシクロクロスでも普通に上位に食い込む。そんな彼自身も相当ぶっとんだ実力だと言える。肉体のそうした不利さを考慮してその実力ならば、最も能力が高いとも言えるかもしれない。
ただ、上述のようなピドコックのコメントからするとシクロ世界王者の肩書はもはや捨てる覚悟なのかもしれない。もちろんチャンスがあれば狙ってくるだろうが、これまでと比べるとそれへの執着は低くなっているのかも。
ピドコックの今後として気になるのは、ピドコックがツール・ド・フランス総合優勝を狙うようになるのかだ。
それについてもまだ「~できればいいな」ぐらいの感じの発言だけなので、特に来年その点についてどういった言葉が彼の口から出てくるのか注目したい。
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