チームB&Bの誤算とスポンサーの思惑
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ProTeamとしての消滅が確定した現行B&B Hotels – KTM。
今回、同チームと契約していた2人のベルギー人選手のEliot LietaerとJens Debusschereが、ベルギー紙Het Nieuwsbladに対して、チームのマネージャーのジェローム・ピノーが計画頓挫の話をしたときの状況、チームの誤算、そしてスポンサーの思惑などについて語っている。
チームの誤算:パリ市「資金(税金)投入は無理」
どうやらジェローム・ピノーとしては、チームと提携する予定だったパリ市がスポンサーとなり、そのパリ市から直接チームに資金を投入してもらえるはずというのが当初の考えだったようだ。
だが、その後政治的な理由(?)でパリ市は「スポンサーとして直接チームにお金は出すことはない」と明確に説明したようだ。税金投入には議会としてはやはり慎重にならざるをえなかったのだろうか。パリ五輪もあるから無駄遣いはできないとか、選挙への影響も考えたのかもしれない。
そのためジェローム・ピノーは商業スポンサーを見つけなけれならない事態に陥った。その時点でもうチーム新生プロジェクトは下り坂を転がり始めたのかもしれない。
スポンサーの思惑:ツール・ド・フランス最優先
また取材に応じた選手のうちEliot Lietaer は、次のような内容の言葉を口にする。
「チーム消滅が決まったときのZoomでのミーティングでは、ジェローム・ピノーからなんとかしてチームを存続させたいという意気込みは見えなかった」
「スポンサーのB&Bとしては何よりもまずツール・ド・フランスでB&Bの名前が放送されるのが最優先。だがチームが仮に存続したとしてもコンチネンタルチームならばそれはほぼ無理。でも女性チームを創設して、そこのスポンサーにB&Bがつけば、ツールでB&Bの名前がアピールできる。これは現実的では?」
今年の女性版ツール・ド・フランスはメディア視聴者数なども含めて全体的に大きな成功を収めたといえる。今後順調にその大会が大きくなっていくとするならば、おそらく男子チームよりは予算が低くてすむ女子チームで、女性版ツールで企業アピールというほうが費用対効果としては合理的かもしれない。
そんなスポンサーの思惑もあるのでは、とEliot Lietaerは考えているようだ。