ニューヨークでワールドカップ開催?
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先日の2022-2023シクロクロス世界選手権は近年最大の観客動員という大盛況で終わった。優勝したオランダの英雄マチュー・ファン・デル・プール(Mathieu van der Poel)は、「自分ひとり、あるいはワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)ひとりだけが出場した場合は、これほどまでの観客は集まらなかっただろう」と話す。
二人のライバル関係がシクロクロス界のレベルを上げ、人気も増大させたということだろう。それで思い出すのは、ロードレース界のライバル関係、特にクラシックでのライバル関係だったベルギーの王様トム・ボーネン(Tom Boonen)とスイス生まれの宇宙人ファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara)だ。ボーネン vs カンチェラーラという構図が下がりつつあったクラシックレースの人気と威信を回復させた。
今のシクロ界を見るとそんな過去を彷彿とさせる。もちろんロードレースでもマチュー vs ワウトのライバル関係は人々の耳目を集めてやまない。
情報源:UCI hails huge crowds at Hoogerheide cyclocross worlds, hints at taking World Cup to New York
この世界選手権を前にしてUCIの全14ラウンドのワールドカップシリーズも終了となったわけだが、来シーズンではロンドンがワールドカップ戦の舞台の1つとして入るかもしれないという情報もありつつも、対照的にアメリカでのワールドカップ戦が減らされるようだ。
理由の1つが選手とチームの金銭的負担の大きさだ。ヨーロッパが本場で、しかもロードレースと違いシクロクロスチームは小規模なので予算も少ない。そんなチームと選手に、アメリカへの渡航費、準備費などなどのコストは重すぎる負担となる。
ただUCIとしては、シクロクロスレースの普及・人気拡大、そしてスポーツビジネス超大国であるアメリカンマネー獲得と将来的な関係の持続のためにも、北米でのワールドカップ戦をゼロにはしたくないようだ。
そこでUCI側は、世界で最も有名な大都市ニューヨークでの開催を検討中だと明かす。
ただ、「A cyclocross World Cup in New York? Difficult and unlikely says Watts」でも紹介されているように、世界の中心?ともいうべきニューヨークでの開催はコストが高すぎて無理、そもそもニューヨークはシクロクロスレースを必要ともしていない、などの理由で実現不可能だろうという考えもある。