2022年ドーピングは過去8年で2位の29件も、ワールドツアーはナイロ・キンタナの1件のみ
Share your love
2022年の自転車界のドーピング件数は29件だったとプロチームなどが作った自治組織MPCC(Mouvement Pour un Cyclisme Crédible)が発表した。
情報源:29 cases of alleged doping recorded in cycling in 2022, but only one at WorldTour
この29件という数字は、その前の2021年より10件多く過去8年では2位の多さだった。2022年のドーピングは15の国、そして6つの自転車レースの分野から発生したもので、全29件のうち23件が男子選手によるものだ。
ただしロードレースのワールドツアー(WorldTour)とプロツアー(ProTour)に関していえば合計で2件だけだった。ワールドツアーで唯一のドーピングはナイロ・キンタナ(Nairo Quintana)のあのトラマドール事件のものだった。
ただし、これまで書いてきたとおりトラマドールは世界アンチドーピング機関WADAによる禁止薬物ではなくキンタナのドーピングはWADAのルールに抵触したわけではなく、あくまでUCIが独自にトラマドールを規制していることに違反したものだ。
しかしMPCCはWADAよりも厳しい基準で自主的に規律を定めているため、トラマドールであってもUCIはもちろんMPCCの基準にも違反したことになり、MPCCの考えではドーピングとなる。
そしてキンタナが所属していたアルケア・サムシック(Arkéa-Samsic)はMPCCのメンバーでもあったため、チームとしても厳しい態度を取らざるを得なかった。
なお昨年の7月にはUCIがコンチネンタルチームのW52-FC Portoについてそのチームライセンスを剥奪している。ドーピング疑惑があったからだ。所属していた選手らも処分を受け、7人の選手が3年~最大7年のレース禁止処分を受けた。