そして伝説へ・・・2023ロンド・ファン・フランデレン感想・ハイライト動画・結果
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今年のフランドルことロンド・ファン・フランデレンには、今シーズンのビッグスリーこと、ワウト・ファン・アールト、マチュー・ファン・デル・プール、そしてタデイ・ポガチャル、さらにトム・ピドコックも参戦し、ビッグフォーの争いとなるか注目が集まった。
また、ピーター・サガンは最後のロンド、さらにビニアム・ギルマイは初めてのロンドとなる。
そんな2023ロンドは伝説の舞台となった・・・
目次
コース
#RVV23
— La Flamme Rouge (@laflammerouge16) April 2, 2023
🚩 Brugge
🏁 Oudenaarde
🚴🏻♂️ 273.5 Km
Weather: 🌧 7°C, light rain
Route: https://t.co/ZiBfYOhum0 pic.twitter.com/T8I0do40L5
感想・展開
逃げにクイックステップ!
10人ほどの逃げには、トレック、イスラエル、ロット、クイックステップなどがメンバーを送り込んでいた。スーダル・クイックステップ(SoudalーQuickStep)はなんとティム・メルリール(Tim Merlier)だ。
今年はこれまでロンドの前哨戦シリーズで先手とれずにユンボの後塵を拝してばかりだったクイックステップだが、さすがにロンドは気合が入っている?
しかし、ワウトのユンボ、ポガチャルのUAE、そしてマチューのアルペシンはゼロ。
残り140km:愚かで危険すぎる事故とピーター・サガンのリタイア
Massive crash in the peloton with dozens of riders involved. Wellens seems to be the biggest victim. #RVVmen #RVV23 pic.twitter.com/CovtCaZdlv
— Ronde van Vlaanderen (@RondeVlaanderen) April 2, 2023
(‘A`)「これ絶対アカンやつや」
最後のロンドとなったピーター・サガンがこれに巻き込まれて落車。そしてリタイアとなった。
残り70km:ビニアム・ギルマイも落車リタイア
サガンが最後のロンドなら、 エリトリアの英雄ビニアム・ギルマイは初めてのロンド。しかし・・・
Another painful crash in the peloton. #RVVmen #RVV23 pic.twitter.com/NCSmRgtebS
— Ronde van Vlaanderen (@RondeVlaanderen) April 2, 2023
この落車で激しく落車して倒れたギルマイだが、当初は全く動かない状態でかなり心配したが、その後少し動いていた。だがやはりこの時点でリタイア。サガンに続き残念すぎる結果となった。
残り100km:危険な追走集団が形成
UAEの準エースともいえるマッテオ・トレンティン(Matteo Trentin)は中盤から積極的にレースを動かそうとしていたように見えた。
そしてついに強力なメンバーとともに、残り100kmあたりで逃げを追う集団を形成することに成功する。
フランドル/ロンド残り100km
— ワイアードの豚@ロードバイク (@BikeNewsMag) April 2, 2023
トレンティン、キュング、ホーイドンク、アスグリーンなど超強力な追走できた
これはおもしろい#ロードレース #ロードバイク #スポーツ #自転車 #ツール・ド・フランス #ジロ #ブエルタ #jspocycle #gcn #世界選手権 pic.twitter.com/it0tYFohCF
トレンティンという強い選手を、しかもポガチャルのチームメイトを好きにさせるとUAEにレースを支配される可能性が高くなる。この危険な動きを、ユンボはネイサン・ファン・フーイドンク(Nathan Van Hooydonck)がチェック。
また、クイックステップは2021年ロンドの優勝者カスパー・アスグリーン(Kasper Asgreen)がフォロー。他にもマテイ・モホリッチ(Matej Mohoric )やシュテファン・キュング(Stefan Küng)など強力すぎるメンバーが揃う。
ワウトとポガチャルはこれで楽な展開となる。チームメイトが先行しているため、自分たちはメイン集団を牽引する必要がない。逆に誰も追走集団に送り込めなかったマチューとアルペシンがそれをしなければならず、力を使わされるハメになり、少し厳しい展開となった。
残り55km:オウデ・クワレモントでUAEトレインとポガチャルが爆発!
トレンティンらの追走集団の後にはビッグフォーが揃うメイン集団。
その後残り55kmで登場した勝負どころの1つ、オウデ・クワレモント。ここでUAEトレインが鬼の形相でポガチャルをアシストして発射!
この動きにワウト・ファン・アールトとマチュー・ファン・デル・プールが遅れる!
Explosive attack from Pogacar on Oude Kwaremont! 🚀 #RVVmen #RVV23 pic.twitter.com/Ncd2cZRCDL
— Ronde van Vlaanderen (@RondeVlaanderen) April 2, 2023
抜け出してポガチャルは独走勝利へまっしぐら!?
・・・とも思われたが、ポガチャルもこの動きだけでは決定的な差はつけることができなかった。この後ワウトのチームメイトのラポルトが激走し、ポガチャルに追いつきチェック。そして、しばらくしてワウト、マチュー、ピドコックらが追いつく。ポガチャル、ワウト、マチュー、ピドコックのビッグフォーの戦いは振り出しに戻る。
その後もポガチャルはコッペンベルグで再び攻撃するが、マチューとワウトを振り切ることはできない!
残り30km:マチューの攻撃!ワウトが失速!
トレックの元世界王者マッズ・ピーダースン(Mads Pedersen)はレース途中で逃げ集団に加わりずっと逃げていたが、残り30kmとなったあたり、クライスベルクの登りの手前でアタック。一人で抜け出す。
そして後方から迫るビッグスリーだが、クライスベルクでマチューがついにアタック!
Attack from Van der Poel, Van Aert can't follow his wheel. #RVVmen #RVV23 pic.twitter.com/GjalY0NWs9
— Ronde van Vlaanderen (@RondeVlaanderen) April 2, 2023
マチューは、それまでポガチャルのアタックに少し遅れ気味に見えて、「あ、これマチューだめそうか?」と思っていのだが、限界まで追い込まずに処理していただけだったのだろうか。ここでついにためていた力を爆発させてきた。
このマチューの攻撃にポガチャルがついていくが、なんとワウトが失速!先日のE3で万全の強さを見せつけた彼だが、このロンドではE3の再現ならず!
勝負はマチューとポガチャル、そして先頭をいくマッズ・ピーダースンに絞られたか?
残り19km:最後のオウデ・クワレモントで伝説が生まれる!
ピーダスンが一人先行したまま、最後のオウデ・クワレモント。ここで今度はポガチャルがアタック!
Pogacar goes solo on Oude Kwaremont! 🔥 #RVVmen #RVV23 pic.twitter.com/wMTP4UNGGU
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An iconic battle on the Paterberg 🇳🇱🇸🇮#RondeVanVlaanderen #paterberg #RVV2023 #pogacar #MVDP pic.twitter.com/YiyuWEaK3D
— Atlanta Rouleur Collection (@AtlantaRouleur) April 2, 2023
このポガチャルの攻撃についにマチューの体が悲鳴をあげた!マチューが最後の最大の勝負どころでポガチャルに突き放される!ポガチャルはピーダースンをも勢いよくかわして、ついに独走状態に入る!
レース前にポガチャルは「マチューとワウトを切り離さないと、自分は勝てない」と述べていたが、それを実現することに成功!そしてマチューとの差はぐんぐん広がり、30秒ほどとなる。
マチューも決して諦めずに必死にペダルを回すが、ポガチャルとの差は縮まらない!
そして伝説へ・・・
結末のゴールシーンをどうぞ。
What a solo victory from Tadej Pogacar! 🥵🏆 #RVVmen #RVV23 pic.twitter.com/V0NXYRacKe
— Ronde van Vlaanderen (@RondeVlaanderen) April 2, 2023
(‘A`)「アカン、強すぎる」
キング・オブ・クラシックことロンドを制したポガチャルは5つのモニュメントのうち、パリ~ルーベとミラノ~サンレモ以外の3つで勝利。
ツール・ド・フランスという至上命題がある以上、危なすぎるパリ~ルーベはあと数年は出場させてもらえないだろうが、ミラノ~サンレモは今年も走ったように来年も走るだろう。
そうすれば、パリ~ルーベ出場までにミラノ~サンレモを獲れる可能性はある。ただ最後の勝負どころのポッジオも勾配がゆるいのでなかなかポガチャルもアタックは決められないため、ひょっとしたらサンレモのほうがロンドよりも勝つのは難しいかもしれない。
歴史上モニュメントの全制覇を達成したのは3人だけ。リック・ファン・ローイ、ロジェ・デ・フラーミンク、そしてエディ・メルクス。しかしこの3人のうち、ポガチャルのようにツール・ド・フランス総合優勝をも成し遂げているのは、エディ・メルクスだけだ。
そうした古き時代のロードレースとは異なり、現代のロードレースはかなりチーム戦略と勝利へのシステム化が進み、また、レースの高速化はもちろん選手の平均レベルも上がっている。そんな現代においても、ポガチャルはツール・ド・フランスだけでなくモニュメントの全制覇を達成できるだろうか?ツールを5勝するよりも難易度は高いかもしれない。
なお昨年かぎりで引退したフィリップ・ジルベールは4つ制覇したが、ミラノ~サンレモだけは無理だった。
レース全体のハイライト動画
結果(トップ10)
1 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates | 1位との差 |
2 | Mathieu van der Poel | Alpecin-Deceuninck | 0:16 |
3 | Mads Pedersen | Trek – Segafredo | 1:12 |
4 | Wout van Aert | Jumbo-Visma | ,, |
5 | Neilson Powless | EF Education-EasyPost | ,, |
6 | Stefan Küng | Groupama – FDJ | ,, |
7 | Kasper Asgreen | Soudal – Quick Step | ,, |
8 | Fred Wright | Bahrain – Victorious | ,, |
9 | Matteo Jorgenson | Movistar Team | 1:19 |
10 | Matteo Trentin | UAE Team Emirates | 2:49 |
うおお!さすがロードレース界の藤井聡太! やはりポギしか勝たん!
2位はワウトかなーと思ってましたがマチューでしたね。なんやかんやいって今季は調子悪くなさそうに見えます(マチュ)。
カンチェーラ曰く「ポガチャル(藤井聡太)は、フランドルがパワーウエイトレシオのレースだと証明した」と評したけど、ほんとその通りのレースだったブヒね。
マチューも強すぎで好調だったのは間違いないけど、勾配のある登りで連続攻撃を重ねられるとやはり「クライマー」のポガチャルに分があったブヒね。
少し前のバイクと衝突したときのアラフィリップも同じような強さをロンドで見せていたけど、今後ロンドの戦い方が変わるかもしれないブヒね。