とんでもないレース!まるでクラシックのクリテリウム!?2023世界選手権ロードレースの感想・結果・ハイライト動画
Share your love
2023世界選手権男子エリートロードレースはこれまでにないぶっ飛んだレースとなった。
目次
2023世界選手権男子エリートロードレースのコース
国別出場選手一覧(PDF)
国別チームカー優先順位
これについては次の記事を見ておいてほしい。
感想・ハイライト
コースに活動家が乱入でレース中断!
ついに始まった世界選手権男子エリートロードレースだが、予想通りというか例年通りというか、アタック合戦からのスタート。特にチームの人数の少ない国を中心にアタック合戦が展開される。
先行していた選手の1人が途中で道を間違える場面も。
しばらく逃げは決まらなかったが、やがて9名の逃げが出来上がる。
だがスタートから80kmほどいったところで、いきなりレースが中断される。アホな活動家がコースに侵入して抗議活動を強行したからだ。
レースが一時中断とのことです。中断となったタイム差が再開時に適用されます。
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 6, 2023
おもむきのあるよい橋ですね
Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/Nc3pPFYkwu#GlasgowScotland2023 #jspocycle pic.twitter.com/DdV2l2UC22
この事態を受けて選手はまったりと談笑・休憩タイム。
結局レースの再開はなんと約50分後!1時間弱も選手は足止めを喰らってしまう。
大変お待たせしました、レース再開です👏
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 6, 2023
Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/Nc3pPFYkwu#GlasgowScotland2023 #jspocycle pic.twitter.com/rhRCQoTou7
激ムズ!周回コース突入!
スタート前から「ワールドツアーの距離のクリテリウムレース」と選手から評されていた今日の周回コースだが、この市街地の周回コースで積極的にプロトンをリードすべく動いたのがデンマークだ。
ベルギーもプロトン先頭付近で淡々とプロトンを管理するという感じだが、明らかにベルギーよりもデンマークが先手を取ろうと動くのが目立つ。
残り130km、アラフィリップが動く!
だがこの動きは少しして吸収される。だが2年前の2021世界選手権のようにフランスがなにかをしかけようとしてるのを予感させる動き。プロトンは油断できない。
2021年の世界選についてはこれらの記事をどうぞ。
これはロードレースなのか?コーナーと激坂ばかりの超サバイバルレース
周回コースに入りましたが…サバイバルの様相
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 6, 2023
エリミネーションレースになるには間違いなさそうです
Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/Nc3pPFYkwu#GlasgowScotland2023 #jspocycle pic.twitter.com/1X44Cn995Z
とにかくグラスゴーの市街地に入ってからは、コーナーだらけ。そして小刻みな激坂(14%や20%)が連続。しかもあまり道路の状態もよろしくなくところもあり、けっこうバイクが跳ねる箇所が。
まるで、ロンド・ファン・フランデレンを市街地クリテリウムにして、さらにコーナーだらけにして、コーナーへのぶっこみと出口からの加速で勝負させるみたいなわけのわからないコースとなっていた。
🐷「なんやこのコース。これもうロードレースじゃなくね?特殊すぎぃ!でもおもろいわ」
残り70km、マチュー・ファン・デル・プールが攻撃開始!
マチュー・ファンデルプール🇳🇱がアタック
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 6, 2023
メイン集団から6人が飛び出した!
ファンアールト、ピーダスン、ベッティオル、ポガチャル
Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/Nc3pPFYkwu#GlasgowScotland2023 #jspocycle pic.twitter.com/yAaDgkXgJi
残り22km、マチューついに独走開始!
ベッティオールが先行して逃げていたが、それをポガチャル、ワウト、ピーダースン、マチューが追いかけて吸収。その後、マチューがいつもの爆発的アタック!
シクロクロス現世界王者のマチューがついにロードレースでも世界王者となるのか!
マチューがあああああああああああああ!!
後方と30秒以上の差をつけながら独走するマチュー。いつものマチューの勝ちパターンに入った・・・
世界「うああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
終盤から部分的に降り出した雨で濡れていた路面で、マチューがまさかのクラッシュ!しかもバイクの右側、つまりリアディレイラー側が道路に叩きつけられた。はたしてマチューも、バイクも無事なのか?
独走中のマチュー・ファンデルプール🇳🇱が落車…
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 6, 2023
ダメージが最小限でありますように🙏
Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/Nc3pPFYkwu#GlasgowScotland2023 #jspocycle pic.twitter.com/V6WPa2Li2T
だが幸運にもマチューも擦過傷はあるも軽症、バイクも無事だった。しかし、シューズが壊れてしまう。
シューズのBOAダイアルの部分が壊れたようで、それが靴から宙ぶらりんのようになる。ペダルを回すのにあまり支障はなさそうだが、マチューはその壊れた部分を邪魔だとばかりに走行中にちぎりとって捨てる。
一方、マチューを追走する3人、ポガチャル、ピーダースン、ワウトは世界選でチーム無線が使えないため、このマチューのトラブルを知らないまま走っていたはず。3人は微妙に牽制したような状態で走り続ける。
そしてここからマチューの本当の恐ろしいところ。落車し傷を追い、シューズは壊れたにもかからずなんと追走の3人との差をどんどん広げていく。しかも、濡れた路面のコーナーで落車したのに落車後のコーナーリングでもギリギリを攻める集中度をキープし続ける。なんという勝利への集中力と執念。全く勝利への渇望が揺るがない。その勝利への圧倒的集中力こそが実はマチューの強さの本質なのかもしれない。
マチューにとって、落車は補給食なのか?
??「全集中の呼吸」
勝ち慣れた選手でも・・・
残り距離22.4km、モントローズ・ストリートでアタックし独走を開始したマチュー・ファンデルプール🇳🇱が大きな勝利・虹🌈を掴み取りました👏
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 6, 2023
Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース
〜J SPORTSオンデマンドLIVE配信中〜https://t.co/Nc3pPFYSm2#GlasgowScotland2023 #jspocycle pic.twitter.com/c8EzqQPCfI
いつものマチューのガッツポーズとはどこか違う雰囲気の勝利の雰囲気だったかもしれない。これまで世界選手権で優勝できていなかった家族のこと、今日の落車のこと、体力の限界まで走りきったこと、昨年の世界選手権はクソガキのせいで不本意な結果になったことなど多くのことがマチューを満たしていたはず。
ジュニア時代から数えきれないほどの勝利を重ねてきて優勝に慣れたマチューでも、今日のゴールはこれまでの優勝にはなかった感情の勝利になったのかもしれない。
なお2位にはゴール前で抜けだしたワウトが、そして3位には、最終盤はずっと限界で苦しそうにしていたのになぜかゴールライン寸前でピーダースンを僅差でおさえることに成功したポガチャル。その二人には悪いが少し笑った。
レース全体のハイライト動画
【ハイライト】UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース|Cycle*2023
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) August 7, 2023
世界一の証、「虹」をめぐる争いは271.1kmのサバイバル、グラスゴー市内の周回に入ると脱落者が続出、トラブル一つが致命的、まさにエリミネーション#GlasgowScotland2023 #jspocycle
再生リスト 👉https://t.co/z3W1ujyogi pic.twitter.com/S5GBAVU0bF
のちほど差し替え予定。
結果(トップ10)
1 | Mathieu van der Poel | Netherlands | 1位との差 |
2 | Wout van Aert | Belgium | 1:37 |
3 | Tadej Pogačar | Slovenia | 1:45 |
4 | Mads Pedersen | Denmark | ,, |
5 | Stefan Küng | Switzerland | 3:48 |
6 | Jasper Stuyven | Belgium | ,, |
7 | Matthew Dinham | Australia | ,, |
8 | Toms Skujiņš | Latvia | ,, |
9 | Tiesj Benoot | Belgium | ,, |
10 | Alberto Bettiol | Italy | 4:03 |
関連過去記事
2021年世界選手権
2022年世界選手権
- 因縁のフランスvsベルギーの殴り合い!2022世界選手権男子エリートロードレースの感想・ハイライト動画・結果
- ポガチャル「自分たちは何位争いしているのかもわかっていなかった」。レース無線なしの2022世界選手権はやはりカオスだった
- 「マチューは心が折れたのだろう」。アルペシンのボスが語る、2022世界選前夜のホテルでの警察沙汰とマチューのリタイア
- マチュー宿泊のホテルが大変なことに。ファンが低評価レビューの嵐
- 【マチュー暴行事件】クソ○キの親「マチューが罰金だけはおかしい。自分が子供襲ったら刑務所行きなのに」
- 暴行容疑のマチュー・ファン・デル・プールを撮影した動画がネットやメディアに公開される。2022世界選手権前夜の事件について
- 【朗報】マチュー・ファン・デル・プール逆転無罪!2022世界戦前夜のクソガキ事件