ユンボやイネオスなどが新リーグ立ち上げか?中東のオイルマネーやF1レースを所有していた投資団体も関心?
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ユンボ・ヴィズマやイネオス・グレナディアーズを含む5つのワールドチームが、新しいロードレースのリーグを立ち上げようとしているらしい。国際メディアのロイターがそう報道している。
情報源:Exclusive: Top cycling teams explore creating new league -sources
現在のロードレースシーンを見ると、
- UCI
- ASO(ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャなどを管理・主催)
- RCS Sport(ジロ・デ・イタリアなどを管理・主催)
- フランダース・クラシックス(ロンド・ファン・フランデレンなどを管理・主催)
の4つが主要なプレイヤーとなっている。
ただ現在のロードレース業界は、スポンサーへの依存度が高く、何かあればすぐにスポンサーがころころと入れ替わったり、チームが消滅したりということが毎年の恒例行事のようになっている不安定なビジネスだ。そうした業界の構造を変えようとこれまでも上のような主要プレイヤーが支配する構造を変えようと、独立した新リーグ立ち上げの機運は何度か存在した。しかし、そのどれもが実際に形になることはなかった。
今回ロイターが報じるのもそのような過去の動きの延長にあるものだろう。
今回の報道では、ユンボやイネオスを含むヨーロッパのプロチームが構想に参加しているようだ。ただUCIなどの支配から独立した新リーグというよりは、既存のレース、特にツール・ド・フランスや有名クラシックなどを取り込んだ(協力した)リーグとなるかもしれないとのこと。
今回のこの構想の目的はもちろんプロチームの不安定な財政を強化すること、スポンサーへの依存度を下げることだ。つまるところレースが生む利益からの取り分を増やしたいということ。
この構想を実現しようと動いてるのがEYというコンサルティング企業で、この構想に投資してくれそうな投資家・投資機関などと話をしているようだ。そのひとまずの返事の締め切りが今週末らしい。だがロイター曰く、「だが、急いでどうこうという話ではないかもしれない」とのこと。
一方で、ある情報筋からはサウジ・アラビアの投資家がこのプロジェクトに投資しようとしている可能性があるとのこと。言わずもがなだが中東のオイルマネーパワーはゴルフ界や欧米サッカー界をも席巻している。もちろんロードレースでもそのオイルマネーの影響は大きい。
またロンドンに本社のある投資会社CVCキャピタル・パートナーズもこの構想に関心をもっているかもしれないとロイターは書く。
CVCキャピタル・パートナーズといえばかつて2006年にF1レースを買収し大成功を収めた投資会社だ。
なお取材に対してEYもCVCもノーコメント。だがユンボ・ヴィズマのマネージャーのリチャード・プルッヘ(Richar Plugge)は、「ロードレースは眠れる巨人であり、そのビジネスモデルは改革する価値がある」と話す。