シマノの売上3割減!クランク無償点検に176億円!23年12月期決算報告
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シマノが2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の決算報告を発表した。
それによると、自転車分野(セグメント)では前年同期比で売上高が29.5%減という大きな後退となった。ただし、比較対象となった2022年12月期は売上高、純利益ともに過去最高を記録した期間であり、落差が大きくなるのも仕方ないとも言える。
前年と比べると連結での売上高は24・6%減の4743億円、純利益が52・3%減の611億円、連結経常利益は41.5%減の1033億円。さらに連結経常利益については次の1年、2024年12月期はさらに29.4%減の730億円となる予想だ。
誰もが気になるのは11速度デュラエースなどのクランクが破損する問題で無償点検(海外ではリコールも)となった問題だが、それについては、
2019年6月30日以前に当社で製造されたロードバイク用リア11段変速対応ホローテックIIクランクの一部において接着された箇所が剥がれ、隙間や段差が発生する可能性があることから、無償点検及び無償交換に伴う費用を計上しております。
なお、この損失額には無償点検及び無償交換に伴う引当金が含まれており、現時点で入手可能な情報に基づき合理的に見積もった金額を計上しております
と書かれており、実際に連結損益計算書では無償点検関連費用として176億2500万円が計上されている。
最後に、2023年全体の市場のトレンドについては次のように記載されている。
自転車人気の過熱感は一服したものの、長期的なトレンドとして自転車への関心は高いまま継続しました。一方で、需給調整が続くなか、市場在庫は総じて高い水準で推移しました。
海外市場においては、欧州市場では、主要市場であるドイツやベネルクス諸国での自転車への高い関心は継続し、完成車の店頭販売は底堅く推移した一方、その他の国においては消費者需要がインフレや景気減速の影響も受けて冷え込み、市場在庫は高い水準で推移しました。
北米市場では、自転車への関心は底堅かったものの、サイクリングブームの反動もあり完成車の店頭販売は弱含みで推移し、市場在庫は依然高い水準で推移しました。
アジア・オセアニア・中南米市場では、自転車への関心は底堅かったものの、インフレの高進や経済不安の影響を受けて消費者マインドが冷え込み、完成車の店頭販売は低調に推移し、市場在庫は高い水準で推移しました。一方、中国市場では、アウトドアスポーツとしてのサイクリングの人気は継続し、ロードバイクを中心に販売は好調で、市場在庫は適正な水準を維持しました。
日本市場においては、円安による完成車価格の高騰や消費者の買い控えの影響を受けて店頭販売は低調となり、市場在庫は高めに推移しました。このような市況の下、12段変速となった「105」やグラベル専用コンポーネント「SHIMANOGRX」などの新製品にご好評をいただきました。