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スーダル・クイックステップ(SoudalーQuickStep)のエースの1人で元世界王者にして、フランス人のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe)。レムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)が現れるまでは、チームのボスであるパトリック・ルフェーブルの寵児だったように思われる。
しかし両者のそんなラブラブな蜜月はもはや過去のものとなった。チームの大黒柱はロードレース新世代の象徴の一角、ベルギーの至宝レムコ・エヴェネプールとなり、一昨年あたりからルフェーブルはアラフィリップに対して批判的コメントをメディアに対して明らかにすることが多くなったように思われる。ルフェーブルとしては「嫌なら出て言ってもらって結構」という考えをメディアに述べてきた。
さらに先日、パトリック・ルフェーブルは「アラフィリップはパーティーに参加しすぎ、酒を飲み過ぎだった」などとアラフィリップの奥さんも巻き込んで批判していた。そんなルフェーブルの言葉にアラフィリップの奥さんが激怒。「何言うとんねん」と反論。そんなネタがここ数日メディアを賑わせていた。
またアラフィリップのチームとの契約は今年いっぱいまで。つまり来年は別チームで走る可能性がある。その移籍先候補として挙がっているのが、以前の記事「トタルエネルジーがアラフィリップ獲得に意欲」で紹介したように、フランスのProTeamのトタルエネルジーだ。
そんなトタルだが、改めて今回メディアに「アラフィリップは、チームにとってあたらしいサガンになれるだろう」と話す。
情報源:‘He could be our new Sagan’ – door open for Julian Alaphilippe at TotalEnergies
チーム・トタルエネルジーは名前の通りフランスの多国籍石油会社トタルエナジーがスポンサーとなっているため、スポンサー企業としての資金力は豊富だと思われる。チームとしての予算規模は不明だが、ProTeamとして運営しているため、ワールドチームほどの運営資金は不要だろうか。ローコスト経営?
またトタルエネルジーが言うには、ピーター・サガンは自分の給料を自分自身で、つまり個人的なスポンサーからの資金でまかなっていたとのこと。チーム側はサガンの大きな給料を負担しなくてすんでいたようだ。そういう点でもやはりローコスト経営の方針か。ただ、逆にいえばサガンが去っただけでチーム予算に大きな余裕ができたというわけでもないのだろう。
加えてチーム側首脳は「みんなを驚かせるかもしれないが、自分たちはワールドチーム昇格に興味はない」と話す。あくまでチームにとって最重要事項は、ProTeamランキングで1位か2位になること。
みんなも知っているように、ProTeamランキング1位と2位ならば自動的に全てのワールドツアーレースに招待される権利を与えられる。もちろん全てのグランツールも対象だ。そのため1位か2位になれば、フランスチームであるトタルは最も重要なレースであるツール・ド・フランスにも自動的に出場できる。できるだけローコストで最大限の効果を得られるわけだ。
ただそうはいってもポイントを安定して稼げる強力な選手がいなければやはりProTeamランキングで1位や2位はなかなか難しいし、ツール・ド・フランスでも目立てない。ツールで勝てないフランスチームにフランス国民は失望するだろう。そこでロードレース界のスター選手の1人、ジュリアン・アラフィリップというわけだ。
吝嗇家として定評のある?パトリック・ルフェーブルが上述のような態度だけに、アラフィリップ移籍に対抗すべく、契約金の釣り上げなどの引き止め工作はとらない可能性が高いのではないか。
あとはトタル以外のチームがどれだけ争奪戦に参加するか。イネオスは若返りを進めているのでベテランになりつつあるアラフィリップはとらないか。資金力といえばUAEもそうだがどうだろう。ベテランを集めてきたイスラエル・プレミアテックは?チーム予算が増えたリドル・トレックは?
間違いなく今年の移籍市場の目玉の1つとなるであろうアラフィリップの未来。はたしてどうなるか。
もちろんBORA-hansgroheが獲得しに来ますよ。
ボーラ参戦表明キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!