歴史的独走!2024パリ〜ルーベのレビュー、結果、ハイライト動画
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今年の2024パリ~ルーベは昨年と同様に前半で優勝候補が絞られる決定的な展開が生まれた。ただし昨年度はユンボ・ヴィズマの攻撃により絞り込みだったが、今年はそれとは全く異なる要因によるものだ。
そしてそのように絞り込まれた優勝候補たちの中で、圧倒的な存在感と力を示したのはやはりあの男だった。その怪物がまた歴史に残るとんでもない記録を残してしまった。
目次
コースと石畳リスト
#ParisRoubaix
— La Flamme Rouge (@laflammerouge16) April 7, 2024
🚩 Compiègne
🏁 Roubaix
🚴🏻♂️ 260 Km
Weather: 🌧 18°C, heavy intensity rain
Route: https://t.co/iMzIaOeUKq pic.twitter.com/wwkl5GGMmR
石畳区間の一覧表がこちら。
今年の賞金額
レビューやハイライト
落車続出で波乱の前半
今年のパリ~ルーベも序盤からこのように落車やパンクなどが続出。画像の落車ではイネオスのエリア・ヴィヴィアーニとリドル・トレックで上位入賞の可能性もあると言われていたジョナサン・ミランの2名も落車してリタイア。今年もヤバそうな予感がビンビンしてくる。
#Replay 🎥 / #ParisRoubaix 🪨
— Renaud Breban (@RenaudB31) April 7, 2024
🇮🇹 Jonathan Milan (LTK) a eu un coup de sang envers un photographe. Certainement un peu trop intrusif.pic.twitter.com/07mPsozxDb
Ouch #ParisRoubaix #ciclismonaespn pic.twitter.com/DV22JXQo1B
— O País Do Ciclismo (@opaisdociclismo) April 7, 2024
強風がプロトンを粉砕!
パリ~ルーベといえば石畳だが、今年のプロトンの敵はそれだけではなかった。レース前半でプロトンを苦しめたのは強風だ。
煙幕の煙とフランス国旗でわかるパリ~ルーベの風が強さ。横風分断でプロトン粉砕 pic.twitter.com/w1vy4B87eu
— バイクニュースマグ@ワイアードの豚 (@BikeNewsMag) April 7, 2024
基本的には追い風でプロトンが高速化。前半で平均時速50km超えとなる。その超高速なプロトンをアルペシン・ドゥクーニンクが完全支配して牽引。そのためちょっとでもトラブルに見舞われて後方に下がってしまうと集団に復帰できなくなる。
そしてその追い風は走行進路が変わったり風向きが変わるとそれは強い横風に変わる。そしてレース前半にもかかわらず石畳に強風があわさりプロトンが完全に粉砕される。
アルペシン・ドゥクーニンクは人数を揃えるがライバルチームらはこの時点でもう各チーム散り散り。マチュー含む20名ほどの集団だけが勝利の可能性のある集団としてすでに決定されてしまう。マチュー・ファン・デル・プール擁するアルペシン・ドゥクーニンクとその他という構図になる。
アランベールと史上初のシケイン!
そして今年の大会直前にいきなりふってわいた話題が、アランベール/アーレンベルグでの安全性確保策として突然導入が決定となったシケイン。どんな感じなのか謎だったが、このような感じだった。
いざ!シケイン&アランベール ★★★★★
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 7, 2024
この小集団でも詰まりました、でも安全でよかったです
マッズ・ピーダスンが先頭
Cycle*2024 パリ〜ルーベ🪨#ParisRoubaix #jspocycle
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/66zgdFHFmE pic.twitter.com/nzrJhPMmVR
想像よりもこじんまりした感じだがそれゆえにかなり減速を余儀なくされるとわかる。いちおう主催者側の思惑は成功と言えるか。
ただ今回はすでに20名ぐらいの集団にプロトンが絞られていたが、このままだと大集団が突入してきた場合は逆にカオスとなって危なそう気もする。
魔法の絨毯でレース中に失格
イネオスの若者ジョシュア・ターリングが、トラブルで遅れてしまったときに集団復帰に露骨にチームカーを使ったことで、なんとレース中に失格となった。審判と直接話しをするも弁明は受け入れられず失格の決定は覆らず、即時の失格退場となった。
60kmの独走スタート!
結局アランベールで決定的な差がつかなかったが、それでもみんなの関心は1つ。そう、マチューがどこで抜け出して爆走を開始するのかだ。そして、そのマチューが攻撃する場所として選んだのは5つ星の石畳ではなく、なんと3つ星の石畳オルシーだった。
セクター13 ★★★
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 7, 2024
オルシー 1,7km
残り距離59.7kmでファンデルプールが加速
Cycle*2024 パリ〜ルーベ🪨#ParisRoubaix #jspocycle
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/66zgdFHFmE pic.twitter.com/8J7FSZuyPR
なお🐷はこの決定的シーンを見ていなかった。このとき風呂に入っていたからだ。そして風呂から出てきて画面を見たら、マチューの独走がすでに始まっていた。つまり実質的にレースが終わっていたのだ。ここから先マチューがどうなったかはもう言うまでもない。
改めて思うのはマチューの怪物ぶりというよりは、アルペシン・ドゥクーニンクのクラシック戦線でのチーム力の高さ。かつてクラシックの支配者だったクイックステップのように、今日のパリ~ルーベでもきっちりとすべての仕事を正確にやりきった。これがすごい。
なにせ普通のロードレースではなく、最も特殊で最も何が起こるかわからないパリ~ルーベで筋書きどおりに作戦を運んだわけで、トラブル発生確率の因果すらも支配したような感覚だ。特に最後の最後までアシストとして奮闘したジャンニ・フェルメルシュは働きっぷりは驚異的だった。もちろんマチューもすごいのだが、今日に限ってはフェルメルシュが賞金の過半数もらってもいいような気がする。
なお同年度のロンド・ファン・フランデレンとパリ~ルーベを連続で制したのは、2013年のファビアン・カンチェラーラ以来だ。そして約60kmもの独走でパリ~ルーベを優勝したのは1994年のアンドレイ・チミル以来だ。
さらに昨年度のパリ~ルーベもマチューが優勝したがそのときの平均時速は史上最速で46.8キロだった。しかしマチューは今年これをさらに更新し平均時速47.8キロをマークした。やはり前半部分での強風が要因だろう。
レース全体のハイライト動画
結果
1 | Mathieu van der Poel | Alpecin – Deceuninck | 1位との差 |
2 | Jasper Philipsen | Alpecin – Deceuninck | 3:00 |
3 | Mads Pedersen | Lidl – Trek | ,, |
4 | Nils Politt | UAE Team Emirates | ,, |
5 | Stefan Küng | Groupama – FDJ | 3:15 |
6 | Gianni Vermeersch | Alpecin – Deceuninck | 3:47 |
7 | Laurence Pithie | Groupama – FDJ | 3:48 |
8 | Jordi Meeus | BORA – hansgrohe | 4:47 |
9 | Søren Wærenskjold | Uno-X Mobility | ,, |
10 | Madis Mihkels | Intermarché – Wanty | ,, |