雨と低温が生んだ予想外の結末。2024フレッシュ・ワロンヌのレビュー、結果、ハイライト動画
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先日はアルデンヌ・クラシック初戦のアムステル・ゴールド・レースだったが、昨夜はその第2戦フレッシュ・ワロンヌが開催された。もちろん勝負を決める場所はただ1つしかない。激坂の代名詞ユイの壁だ。果たして今年のユイの壁を誰よりも速く駆け上がったのは誰だ?
目次
コース
🔥 Au départ de Charleroi avec 4 passages sur le Mur de Huy, voici ce qui attend les coureurs pour la 88 ème édition de la #FlecheWallonne
— La Flèche Wallonne (@flechewallonne) April 16, 2024
🔥 Starting from Charleroi with 4 passages over the Mur de Huy, a look at what awaits the riders for the 88th edition of the #FlecheWallonne pic.twitter.com/KIl2KKzEx6
このようにユイの壁を4度登る。4度!
現地のおすすめパン屋
毎年言っているんだけど、Huy駅からHuyの壁に行く途中にあるパン屋さん(カフェ併設)のワッフルがめっちゃ美味しかったので、是非行ってほしい!#FlecheWallonne#jspocycle pic.twitter.com/0TNlMiUnTp
— ぱっその嫁 (@Passo_no_yome) April 17, 2024
感想・ハイライト
雨と低温が有力勢を苦しめる
スタート時点はこのように太陽の光も射し込むような感じだったが、やがて本格的な雨に見舞われ、悪天候の中のサバイバルレースの様相となっていった。
😱 C'est un véritable déluge qui s'abat sur les coureurs à présent !
— La Flèche Wallonne (@flechewallonne) April 17, 2024
😱 It's a real downpour for the riders now!#FlecheWallonne pic.twitter.com/OqUpHGO1ay
レース中盤で2度目のユイの壁を走る動画がこちら。何人もの有力勢が遅れていく。雨と低温で普段の力が出せていない感じがする。
誰もが経験して実感しているだろうが、自転車は風をもろに体に受ける。濡れた体に低い気温の冷たい風を浴び続ければどんどん体の体温が奪われていく。登山でもそうだが、これが風を浴びる自転車競技の恐ろしさの1つだ。
⛰ Dans la 2ème ascension du Mur, c'est maintenant @MarcHirschi qui est distancé. @tompidcock est également en difficulté.
— La Flèche Wallonne (@flechewallonne) April 17, 2024
⛰ On the 2nd ascent of the Mur, it is now @MarcHirschi who is behind. @tompidcock is also in trouble.#FlecheWallonne pic.twitter.com/aqj2ttZzog
低体温症のマティアス・スケルモース
レース中に低体温症?でフレッシュ・ワロンヌをリタイアとなったリドル・トレックのマティアス・スケルモース(Mattias Skejlmose)。まともに動けなくなりスタッフに抱えられて搬送pic.twitter.com/tSxMrvrgnk
— バイクニュースマグ@ワイアードの豚 (@BikeNewsMag) April 17, 2024
このように、寒さに強いと思われるデンマーク人で、さらに昨年のフレッシュ・ワロンヌで2位だった実力者でもあるリドル・トレックのマティアス・スケルモース(Mattias Skejlmose)でさえ、体が凍えきり低体温症に。一人では満足に体を動かせなくなり、スタッフの手を借りざるを得ない状態に。
不幸なことではあるが、無理して乗り続けて落車していればさらに酷い状態になっていたはず。リタイアという判断は賢明だ。
いつもとは異なるユイの壁
3度目のユイの壁を前に、アルペシン・ドゥクーニンクのセーアン・クラーウ・アナスン(Søren Kragh Andersen)が逃げを試み、1分半ほどの差を集団につけるが、最後の4度目のユイの壁を前にやがてそれも吸収される。
終盤に雨はあがったもものの途中の悪天候によるサバイバルでかなり先頭集団は小さくなっている。例年ならば最後のユイの壁に向けてかなりの規模の集団でつっこんでいく感じだが、今年は明らかに先頭集団が小さい。例年とは異なる雰囲気となる。
その集団で有利にことを運ぼうと特に力強いチーム力を見せていたのが複数名の選手を送り込んだデカスロンAG2RとUno-X。デカスロンはブノワ・コスヌフロワ(Benoît Cosnefroy)で、Uno-Xはトビアス・ヨハンネセン(Tobias Halland Johannessen)で勝負をかける。
一方でこの日ずっと強い走りを先頭で見せていたのがイスラエル・プレミアテックのスティーブン・ウィリアムズ(Stephen Williams)。さらに全く目立つ動きをせず虎視眈々とチャンスを窺い続けてきたチームEFのリチャル・カラパス(Richard Carapaz)。いつぞやのように死んだふり走法か?さらには積極的に集団を牽引することが多かったグルパマFDJもまだ複数名を残していた。
そしてついに最後のユイの壁に突入。そこからゴールまでは次の動画で。
🤩 Revivez le dernier km le plus célèbre de la saison cycliste qui couronne cette année 🏴 @stevierhys_96 !
— La Flèche Wallonne (@flechewallonne) April 17, 2024
🤩 Relive the most famous last km of the cycling season, which this year crowns 🏴 @stevierhys_96!#FlecheWallonne pic.twitter.com/5arkgmkacu
スティーブン・ウィリアムズ強い!イギリス人初のフレッシュ・ワロンヌ制覇だ。とにかくこの日彼はずっと調子が良さそうだったわけだが、まさにそう感じていた通りの強さを見せつけた感じ。
今年のフレッシュ・ワロンヌは、昨年の優勝者タデイ・ポガチャルをはじめ、ジュリアン・アラフィリップなども(もちろんアレハンドロ・バルベルデ、フィリップ・ジルベール、ホアキン・ロドリゲスなども)含めていわゆる大本命がいない大会となったわけだが、だが今日のスティーブン・ウィリアムズが見せた強さはそんな大本命にも負けない強さだったのではないろうか。
スティーブン・ウィリアムズは現在27歳で、これまでツアー・ダウン・アンダーの総合優勝なども成し遂げたきたが、おそらく今回の優勝がこれまでのキャリア最高の栄光となるのではないだろうか。イスラエル・プレミアテックとの契約は2025年までだが、今回の優勝でひょっとしたら早めに契約延長のオファーが来るのかもしれない。
レース全体のハイライト動画
結果(トップ10)
1 | Stephen Williams | Israel – Premier Tech | 1位との差 |
2 | Kévin Vauquelin | Arkéa – B&B Hotels | ,, |
3 | Maxim van Gils | Lotto Dstny | 0:03 |
4 | Benoît Cosnefroy | Decathlon AG2R La Mondiale Team | ,, |
5 | Santiago Buitrago | Bahrain – Victorious | ,, |
6 | Halland johannessen Tobias | Uno-X Mobility | 0:10 |
7 | Romain Grégoire | Groupama – FDJ | ,, |
8 | Dorian Godon | Decathlon AG2R La Mondiale Team | ,, |
9 | Tiesj Benoot | Team Visma | Lease a Bike | ,, |
10 | Guillaume Martin | Cofidis | ,, |