なぜカレブ・ユアンは勝てないのか?
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昨年、所属チームのロット・デスティニー(Lotto-Dstny)とのいざこざでかつての古巣ジェイコ・アルウラー(Team Jayco AlUla)に戻ってきたカレブ・ユアン(Caleb Ewan)。
チームとしては今年の早い段階でツール・ド・フランスにはディラン・フルーネウェーヘン(Dylan Groenewegen)を、ジロにはユアンを出場させるという方針で決まっていた。
古巣復帰で精神的にもリフレッシュしたはずのユアンだが、今年のジロでは今のところ勝利できていない。なぜジロでユアンは勝てていないのか?
情報源:Jayco AlUla explain Caleb Ewan ‘lacking a bit of top-end speed’ in Giro d’Italia sprints
チームの見解としては、「最後の最後でのスピードに欠けている。肉体的には好調で病気とかではない」と話す。
ではなぜ最後の最後で決め手となるスピードに欠けるのか、それは結局のところチームのスプリントトレインの力不足ということだろう。
特に昨日のジロ第18ステージは大集団スプリントで各チームがエーススプリンターのために激闘を繰り広げプロトンはカオスの中のカオスといった様相だった。そんな中チーム力が劣り単独でポジションを争うのはかなりの不利。ポジション争いだけで大きな力を使わざるをえなかったはずだ。
本来ならば彼の発射台を務めるアシストのルカ・メズゲッツも第14ステージ前に大会をリタイアしていなくなっている。そしてチームとしても総合エースのフィリッポ・ザナ(Filippo Zana)の総合トップ10を狙う作戦となっているため、ユアンはひとりぼっちの戦争を繰り広げなければならない状況にある。
そんなユアンに残された最後のチャンスは最終日のローマでの第21ステージ。昨年と同じく平坦ステージだ。なお昨年はマーク・カヴェンディッシュが優勝している。最終日もユアンにとってはかなり厳しい闘いとなるだろうが、昨年のカヴェンディッシュのように勝てれば一気に全盛期のような連勝街道に突入できるかもしれない。