夏のストラーデ・ビアンケ！？2024 ツール・ド・フランス第9ステージのレビュー、結果、ハイライト動画

2024ツール・ド・フランス第9ステージは、まるでイタリアのストラーデ・ビアンケのような白いグラベル区間が数多く登場する。これまでパリ～ルーベの石畳は何度も登場してきたが、ストラーデ・ビアンケのような白いグラベルは現代ツールでは初めて。

そんな白い砂塵が舞う幻想的だが視界が悪く危険な1日で総合エースたちは無事だったのか？そしてステージ優勝は？

第9ステージのコース

レビュー、ハイライト

スタート前に落車で死んだ25歳のノルウェー人André Dregeの哀悼式

昨夜にXでは以下のようにツイートしたのでそれを見た人は知っているだろうが、ツアー・オブ・オーストリア第4ステージの下りで落車した25歳の若者が死んだ。ノルウェー人選手のAndré Dregeだ。

この若者の悲劇の死を受けて、今日のツール・ド・フランス第9ステージのスタート前にお祈りを捧げるセレモニーが行われた。同国のProTeamであるUno-X Mobilityの選手が前に出て哀悼を示した。

未舗装区で滑る！押し歩き大渋滞！ログリッチもワウトも遅れる！

細かい砂の未舗装区間の登りでおそらくタイヤが滑って上手く乗れない選手（特に体重が軽い選手？）が渋滞の原因か？ストラーデ・ビアンケなどのグラベルに慣れていない選手は乗るのが難しいのだろう。

この渋滞にハマってしまったのがプリモシュ・ログリッチやワウト・ファン・アールト。一方で、タデイ・ポガチャル、レムコ・エヴェネプール、ヨナス・ヴィンゲゴーらは先行することに成功。30秒ほどの差がついてしまう。

だが残り距離がまだまだあったおかげで遅れていたログリッチたちもやがて合流することに成功し、事なきを得る。

レムコがアタック！

残り76kmほどのグラベルの登りでレムコがアタック。まさかステージ優勝を狙うつもりだったとは思わないが、「あわよくばなんとかなるアタック」か？

このレムコをポガチャルとヴィンゲゴーがしっかりと追いかけチェックし、レムコの攻撃は不発に終わる。

ウラソフが落車で負傷！

プリモシュ・ログリッチの総合表彰台に絶対必要な強力アシストの一角、アレクサンドル・ウラソフが落車してしまう。

ウラソフはこのように左半身を中心に負傷。骨折などはなさそうだが第2週目からこの負傷が響いて調子が落ちるかもしれない。ここまで粘りの走りを見せるログリッチだが、ウラソフが満足に動けなくなるときつくなる。翌日が休息日なのが幸いか？

残り22kmでポガチャルがアタック！ヴィンゲゴーとレムコが･･･

このポガチャルの動きにヴィンゲゴーはついていこうとしたが失敗。そしてレムコはさらに後方。

ヴィンゲゴーはチームメイトのクリストフ・ラポルトとマッテオ・ヨルゲンソンがポガチャルをチェックすることに成功し、そこからラポルトがまずヴィンゲゴーをひきあげるために下がり、ポガチャルをマークするヨルゲンソンのもとにヴィンゲゴーを送り届けてなんとか無事。

もしこのヴィズマの二人がポガチャルについていけていなかったら、ヴィンゲゴーはかなり危なかったかもしれない。なんとか首の皮をつないだか。

一方で後方に下がってしまっていたレムコも他の選手たちを引き連れつつ自力でポガチャル＆ヴィンゲゴーに追いつくことに成功する。

🐷「これはパリ～ルーベではありません」

逃げるストゥイヴェン、追うマチュー、ギルマイ

残り6kmでトム・ピドコックやベン・ヒーリーなどの強力なメンツが揃う先頭集団からヤスパー・ストゥイヴェンが抜け出すことに成功する。

この先頭集団を追うのはマチュー・ファン・デル・プール、ビニアム・ギルマイ、マイケル・マシューズなどこちらも今日の優勝候補が揃う強力なメンツ。

だがマチューらの集団は協調できているようには思われず、残り距離からして先頭集団においつくのはきついか。

一方で先頭集団はストゥイヴェンとの差が広がりすぎないようにコントロールしながら走っているように見えた。一定のタイム差で彼を追いかける流れに。もし牽制が入っていれば差は少しずつ広がりそうなものだ。

最後まで逃げ続けたストゥイヴェンだったがついに残り1kmをきって捕まってしまう。ここでストゥイヴェンは力尽きて脱落。

そして残ったメンバーでのゴールスプリントの結末はこちら。

フランス人のアントニー・テュルジス勝ったああああ！これでフランス人が今大会3勝目！

テュルギスはツール・ド・フランスはもちろんグランツール初勝利！これまではミラノ～サンレモ2位、クールネ2位、ドワルス2位など大きなレースでなかなか勝てなかったが、ついに世界最大のレースでステージ優勝を挙げた。

一方で終盤に連続して攻撃をしかけていたポガチャルは結局、レムコ、ログリッチ、ヴィンゲゴーらと同じ集団でゴールとなった。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Anthony Turgis	TotalEnergies	1位との差
2	Thomas Pidcock	INEOS Grenadiers	,,
3	Derek Gee	Israel – Premier Tech	,,
4	Alex Aranburu	Movistar Team	,,
5	Ben Healy	EF Education – EasyPost	,,
6	Alexey Lutsenko	Astana Qazaqstan Team	,,
7	Javier Romo	Movistar Team	0:12
8	Jasper Stuyven	Lidl – Trek	0:18
9	Biniam Girmay	Intermarché – Wanty	1:17
10	Michael Matthews	Team Jayco AlUla	,,

総合トップ10

1	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates	1位との差
2	Remco Evenepoel	Soudal Quick-Step	0:33
3	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	1:15
4	Primož Roglič	Red Bull – BORA – hansgrohe	1:36
5	Juan Ayuso	UAE Team Emirates	2:16
6	João Almeida	UAE Team Emirates	2:17
7	Carlos Rodríguez	INEOS Grenadiers	2:31
8	Mikel Landa	Soudal Quick-Step	3:35
9	Derek Gee	Israel – Premier Tech	4:02
10	Matteo Jorgenson	Team Visma | Lease a Bike	4:03

各賞1位

総合1位	Tadej Pogačar（UAE-TeamEmirates）
ポイント賞1位	Biniam Girmay Hail（Intermarché-Wanty）
山岳賞1位	Jonas Abrahamsen（Uno-X Mobility）
新人賞1位	Remco Evenepoel（SoudalｰQuickStep）