超級の標高2802m！クイーンステージでポガチャル爆走？今夜の2024ツール第19ステージのコースプレビュー

2024ツール・ド・フランスも佳境となり、いよいよ本日の第19ステージが天王山。超級2つを越えてから1級山岳ISOLA2000（イゾラ2000）でゴールという難関山岳ステージだ。

コースプレビュー

第19ステージのコース

走行距離は短めの144.6kmに超級2つ、1級が1つという大きな山岳が3つ組み込まれている。それら3つの山岳のプロフィールは次の画像を見て欲しい。

超級が2つあるが、2つ目のBonetteがヤバすぎる。標高2800m以上まで登るからだ。

とはいってもおそらくこれらの超級で総合勢が積極的に動くことはないだろう。だが、コンディションの悪い選手は間違いなく自動的に落ちていく。そういった意味ではアタック合戦を必要としない単純で泥臭いサバイバルレースになるのではないか。

このBonetteの山頂ですでにメイン集団はかなり小さくなり、レムコ、ヴィンゲゴー、ポガチャル、そして彼らのアシスト数名、その他数名の15名弱が残っているだけ、そんな感じになっているのではないだろうか。

ただし、ひょっとしたら2つ目の超級Bonetteで総合トップ10入りを狙う選手が大きな順位ジャンプアップを狙って奇襲をしかけるかもしれない。そうすればその動きがプロトン全体の活性化を引き起こす可能性もなくはないだろうが、まぁその可能性は低いだろう。

やはり勝負の舞台は1級山岳ISOLA2000だろう。ここでポガチャルは間違いなく攻撃をしかけるはずだ。必要があるかどうかではなく、やりたいときにやりたいことをやる。それがポガチャル流。このツールでもずっとそうしてきた。

山岳賞争い

山岳賞ジャージのマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュの行方はまだわからない。現時点ではポガチャルがリードして首位だが、実は今日の2つ目の超級Bonetteはその異常な難易度のため、トップで山頂を通過すると通常の倍のポイントである40ポイントを得られる。

そこで現在の山岳賞ランキングを見てみよう。

そして超級山岳と1級山岳のポイント配分は通過順位に応じて次のとおり。

• 超級：20、15、12、10、8、6、4、2
• 1級：10、8、6、4、2、1

仮に今日の超級2つと1級をすべて1位通過すれば「40＋20＋10 = 70」を得られる。最もありえない想定をしてみよう。上のランキング10位のトビアス・ヨハンネセンを例にして、彼にとって最大限理想的な場合を想定する。仮にポガチャルはじめ上位陣が獲得ポイントゼロならば、10位のトビアス・ヨハンネセンが逆転で山岳賞1位となるわけだ。

上述のようにポガチャルが1級山岳まで動かないとすれば、Bonette山頂のトップ通過争いは激しくなるのではないか。すなわち山岳賞争いはまだまだその結末はわからない。翌第20ステージも山岳ステージなのでなおさらだ。

今日はポガ、ゲゴ、レムの三強の激闘だけでなく、山岳賞争いにも注目したい。昨日も動いたリチャル・カラパス、オイエル・ラスカノが再び今日も動くはずだ。

カヴェンディッシュは生き残れるのか？

そして最後にスプリンターたちがタイムアウト失格になるかどうかにも関心が集まるだろう。すでにこれまでに有力スプリンターも多くがツールを去っているが、今年限りでの引退となるマーク・カヴェンディッシュはとにかく有終の美を飾るため、そしてツールの歴史を象徴する選手の使命としてなんとしてでも今大会は完走しなければならない。

今日・明日でバッドデーが訪れればスプリンターは確実に失格だろう。バッドデーが今日やってきた選手はおそらく最初の超級でバイクを降りることになるだろう。

ポイント賞は実質的に第17ステージで決まってしまったと言えるだろうが、それでもツールは終わっていないわけで1位のビニアム・ギルマイは今日も明日も生き残る必要がある。同2位のヤスペル・フィリプセンも、ギルマイのリタイアという可能性もなくはない以上それに備えて自分も奮闘しなければならない。

今日はほんとに厳しく長い1日となる。

優勝予想

タデイ・ポガチャル。