60km独走で総合大変動！？2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージの結果とハイライト動画

昨夜の2024ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージは、ベン・オコナーがログリッチから総合リーダージャージを奪ったときのように、またも総合成績に大きなインパクトが起こりそうな展開となった。

第9ステージのコース

感想・ハイライト

アダム・イエーツが大逃げ！

チームUAEは、エースだったジョアン・アルメイダがコロナ感染で第9ステージをDNSとなったため、絶対的なエースが居ない状態だが、アダム・イエーツは総合27位で首位から9分27秒遅れ。そんな彼がログリッチらのいる集団から6分以上を稼いだまま最後の1級山岳へ。その1級のプロフィールがこちら。

この1級山岳も昨日の3級山岳と同じく激坂。さすがにアダムがそのまま6分以上の差でゴールというわけにはならないだろうが、それでももし後続のエース集団たちが牽制状態になれば本当に大きなタイム差のままゴールできる可能性もある。そうなれば総合順位に大きなインパクトが生じる。

アダム・イエーツ山岳賞トップへ

酷暑の中アダム・イエーツは一人でトップを自分のぺースでひた走る。後続から一気に迫られるかと思えば特にそんなこともなく、タイムに余裕をもって1級山岳を先頭通過に成功する。ログリッチたちもそんなにタイム差を削れないままだ。

この1級山岳を超えればあとは長い下りだけなので、平地とは異なり一人で独走でもそれほど不利にはならないはず。なおアダム・イエーツはこの1級の前の山岳でもトップ通過しており、今日だけで多くの山岳ポイントを稼いだ結果、山岳賞トップに躍り出ることにも成功した。

そしてログリッチグループから飛び出したエンリク・マスがなんとログリッチらに1分の差をつけて先行することに。レッドブルとしては一定のタイム差までは容認しても長い下りで挽回可能と考えているのか？

マスは2日連続強い！こんな強いマスはいつ以来だ？

マスが落車の危機一髪！

🐷「あぶねええええ！でも、落車もくバイクも無事！マスに運が味方してる！」

イエーツが60km独走！

結局アダム・イエーツが無事にそのまま逃げ切り優勝。なんと酷暑の中、激坂を含む山岳ステージの60km近くを独走したことになる。そんな彼の逃げを前半から支えてアシストしていたのがジェイ・ヴァインとマルク・ソレル。まさにチームを挙げてつかんだ勝利といえる。

UAEは、ポガチャルは出ていないし、ジョアン・アルメイダはリタイア。しかしそれでも狙ったときに狙って勝てるチーム力を備えている。そのチーム力はさすがの一言。

ちなみにブエルタの裏でやっていたフランス伝統のワンデイレース、ブルターニュ・クラシックではおなじUAEのマルク・ヒルシが逃げ切り優勝した。

そして力走及ばず2位になったがリチャル・カラパス。このブエルタでは総合優勝を狙うと公言しているだけに2位になってもゴールまで全力でペダルを踏み込み、少しでも後続のログリッチ、オコナーたちとのタイム差を稼ごうとしていた。アダム・イエーツとは1分39秒遅れでゴール。

マス vs その他！

そして強さを見せたマスだが、長い下りで少しずつログリッチらに迫られ、ゴール間近となったところで吸収されてしまった。上手くいけばログリッチやオコナーたちから1分の差を得られるはずだったが、そうは問屋がおろさなかった。惜しすぎる。

しかしマスはかなり調子良さそうだ。あしたの休息日にいきなり調子が急変ということはないだろうが、できれば強いマスをこのまま見てみたい。そのほうがブエルタもおもしろくなる。もちろん強いオコナーも見続けたい。現時点でオコナーの有利は変わらないが、それでもオコナー自身がそうだったように、ヴィンゲゴーとポガチャルという化け物二人がいないブエルタは何が起こるかわからない。一気にまた総合順位が大きく変わることがあるかもしれない。まだまだおもしろくなりそうだ。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

総合トップ10

各賞1位