UAEが一酸化炭素の使用をやめることを発表
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プロ選手の最先端のトレーニング理論(?)については昨年まではケトンと重曹サプリが話題になっていた。そのうちケトンについてはいまだ科学的な解明が不十分だとして使用に慎重になるべきとの声がプロの間でもある。これら2つについてはこのブログでも何度か記事にしてきた。次のものその一例だ。
→ツールの裏の主役?2つの薬物ケトンとドーピングのAICAR
→ポガチャルのコーチ「ユンボ・ヴィズマの”重曹サプリ”は無意味」。話題の重炭酸塩ソーダの効果を否定
一方今年最も話題になった最新トレーニングは一酸化炭素を吸入して肉体のパフォーマンスを向上させようとするものだ。タデイ・ポガチャル、ヨナス・ヴィンゲゴーもその使用を認めている。
→【追記あり】ポガチャルも使用を否定から一転して肯定へ。ヴィズマやUAEは一酸化炭素リブリーザーを使っていたのか?
ただ、この一酸化炭素の使用については先日の記事「UCIが一酸化炭素の使用を禁止するようWADAに正式に要請」で紹介したように使用禁止させるべく動いていた。
そんな状況下でついにUAE-TeamEmiratesが一酸化炭素の使用をやめるとの方針を発表した。
情報源:UAE Team Emirates confirm squad have stopped using carbon monoxide rebreathing
UAE側によると18ヶ月前から一酸化炭素吸入によるトレーニングをしていたらしい。目的は高地トレーニングキャンプ中にどれだけパフォーマンスが向上したかを測るためのものだったとのこと。
なぜなら高地トレーニングの成果を測るには今のところ、一酸化炭素リブリーザー(酸素マスクのようなもの)を使い、ヘモグロビンの量を測る以外には良い方法がないからだと言う。それで2年前に一酸化炭素リブリーザーを使用しパフォーマンスを評価することを決定したとのこと。
また一酸化炭素リブリーザーの使用はすでに20年も前から安全性に問題なく使われ続けてきたものだと言う。
今回の一酸化炭素の使用中止の発表だが、チーム側は一時的な中止ではなく今後将来的にも再び使うことはない考えだ。
このUAEの方針転換を受けて、他のチーム、特にTeam Visma | Lease a Bikeがどうするのかが注目される。