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Rapha



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2025ジロ・デ・イタリアのワイルドカード枠がいまだに発表されない異常事態と、その決定の困難さを減らす1つのアイデア
今年のジロ・デ・イタリアは例年と比べて異常事態が長引いている。それは、本来ならば今年の1月または2月に発表されているはずのワイルドカード枠が未だに発表されていないことだ。
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現在のグランツールは全18のワールドチーム+ワイルドカード枠4つ。ただしワイルドカード枠のうち2つはProTeamランキング1位と2位が自動的に招待されるので、実質的なワイルドカード枠は2つとなる。
昨年度のProTeamランキング1位はLottoだが、今年のジロについてもLottoは経費削減、チーム戦略、費用対効果などの観点からジロ・デ・イタリア出場を見送ることを明らかにしている。そのためワイルドカード枠の残りは3つとなっている。
これまでもこのブログで今年のジロ・デ・イタリアについてはいろいろと例年とは異なる事態が発生していたことを伝えてきた。たとえば次の過去記事を見てほしい。
ジロがこのような状況に陥っている要因は複数あると思われるが、そのうち代表的なものとして考えられるのは次の2点だろう。
現在グランツールは1チーム8人制となっている。しかし2017年までは9人制だった。そして2018年からプロトンの安全対策として8人制へと縮小されて今に至る。
→UCIは来年から1チーム7人制へ選手の数を減らす方針か?グランツールは8人制へ?
仮に今年のジロ・デ・イタリアのワイルドカード枠が拡大されるなら、それはプロトンのサイズを拡大することとなり、安全性向上という当初の目的(現在のUCIが推進する目標でもある)とは矛盾する。
この点、チーム・ヴィズマ・リースアバイク側も安全対策を後退させるような参加チームの増加には反対している。
参加チーム増加を防ぎながら同時にワイルドカード枠の拡大をも実現させる1つのアイデアがある。それはワールドチームの参加数を減らすことだ。
現在UCIルールではワールドチームはグランツールに出場する義務が課せられている。しかし、上述のLottoのようにチーム戦略がコスパといった観点からグランツール全てに出場したくないという本音を抱くワールドチームもあるかもしれない。特に、絶対的な総合エースやエーススプリンターを有しないチームはその可能性があるかもしれない。
そこでジロの主催者側も、「たとえワールドチームであっても、一部のグランツールを欠場することも可能とすればいいのではないか」と語る。
今年のジロは5月9日から始まるわけだが、残り2ヶ月を切った今でも同枠の決定がいつ発表されるのか不明のまままだ。
はたしてジロ・デ・イタリアも含めて、今年のグランツールのワイルドカード枠はどうなるのだろうか。特に今年のジロのワイルドカード枠の結末が、今後のグランツール出場チームに関するなんらかの転換点となるかもしれない。
なお今年のジロの注目ステージなどはこちらの記事で。