獲得標高4900m！今日の2025ジロ第16ステージのコースプレビューと優勝予想

今日の2025ジロ・デ・イタリア第16ステージは本格山岳ステージで大会最高難易度の5つ星ステージだ。つまり総合争いの最終決戦の幕開けとなる。

ここでデル・トロがさらにタイム差を拡大させれば優勝へ盤石、しかし、ライバル勢の波状攻撃が予想される中で彼らがタイムを奪い返せば今後どうなるかわからなくなる。今日の結果がジロの結末を占う重要なものとなる可能性が高い。

第16ステージのコース

上述のように最高難易度のステージとなる。距離は200km超、獲得標高は4900ｍ（Stravaでは4600強だが）、1級山岳が3つ詰め込まれ、そして最後も1級山岳の山頂フィニッシュという恐ろしいステージだ。

まずこの日も多数名による逃げ集団ができると思われる。クライマーなら誰もが逃げたいと思うだろうし、大逃げが決まる可能性は高い。

そしておそらくは山岳賞を確定させたいXDSアスタナのロレンツォ・フォルトゥナートも積極的に逃げ合戦に参加するはずだ。なぜなら1級がつめこまれているため大量のポイントを稼げるからだ。

仮に彼が逃げに乗れなくてもチームメイトの誰かが逃げに乗るはず。よってXDSアスタナは複数名で次々と逃げ合戦に参加するはずだ。

逃げのメンツと人数に脅威を感じなければ前半でプロトンは10分近くの差を容認する可能性すらあるか？

そして総合勢はおそらく中盤の3級山岳を越えるまではあまり動きを見せないはず。それは逃げ集団も同じだろうか。

ターニングポイントとなるのは最後に連続する1級山岳、その最初の山岳サンタ・バルバラだろうか。そのバルバラのプロフィールがこちら。

距離12.7km、平均斜度8.3%。前半から続く平均斜度9.25%の区間が凶悪で、最大斜度14％が登場する区間もある。

このバルバラを越えると長い下り（しかもヘアピンだらけらしい）、そしてまた1級山岳サン・ヴァレンティーノが始まるわけで、このバルバラ登りで遅れるとその後のほぼ先行集団に追いつくのは無理だろう。

総合勢は絶対にここでライバルたちに遅れをとるわけにはいかない。だが逆にUAEのライバルチームはここで最初の攻撃をしかけてくるかもしれない。また逃げ集団もここで分断が起こるか。

そして最後の1級山岳サン・ヴァレンティーノのデータがこちら。

距離18.2km、平均斜度6.1%、最大斜度14％。この数値だけ見ればサンタ・バルバラのほうが厳しそうに見えるが、サン・ヴァレンティーノには2箇所の下り区間があるため、実際の斜度はもっとあると言える。

フィニッシュライン手前3kmのデータは次のとおり。

いったん下ってからの登り返しで山頂フィニッシュ。この下りを全力で踏んで勢いをつけて最後の登りに突入したいところだ。

優勝予想

今日も最後のジロとなるロマン・バルデが逃げるはず。またナイロ・キンタナも逃げに乗るだろうか。またぺリョ・ビルバオも逃げアタックに参加する可能性がある。個人的にはキンタナ（昨年のジロでは最後の最後でポガチャルにステージ優勝をかっさわれた）かバルデに勝ってもらいたいが。

今日のステージの鍵を握るのはプリモシュ・ログリッチ＆ジュリオ・ペリツァーリ、エガン・ベルナル、そしてリチャル・カラパス、アントニオ・チベリ、そしてフアン・アユソー。

ログリッチについては彼が動くか動かない（動けない）かどうかで、そのアシストのジュリオ・ペリツァーリにステージ優勝を狙える自由が与えられる可能性が高い。ペリツァーリ自身が最初から逃げに乗ろうとする可能性もあるか。ただ首位から6分強の差しかない彼が逃げてもおそらくUAE勢がそれを許さないだろう。

一方カラパスは最近のステージで何度もアタックをしかけているため、かなり調子が良さそうだと思われる。昨日の休息日でしっかり回復して今日再び勝負をかける可能性大。そしてはそれはエガン・ベルナルも同じだと思われる。アントニオ・チベリも調子が良さそうだ。

まずカラパスとベルナルが攻撃を次々としかけるのではないか。その次にチベリか？

そして何よりもフアン・アユソーがどう動くか。アユソーが最後に加速し、デル・トロがついていかなければエースはアユソーだと確定するのではないか。逆に彼が遅れた場合UAEは彼を守り続けるのかどうか。

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一方でTeam Visma | Lease a Bikeのエースのサイモン・イエーツは、2018年ジロで圧倒的な登坂力を見せて大きなリードを奪いつつも最後の最後に大失速して優勝を逃した経験をもつだけに今大会は慎重に走り、まだ今日は本格的に動かないかもしれない。総合2位なのでまずは今の順位を守り、UAEをチェックするだけに終始するかも。動くとしても最後の最後だけか？

･･･と、なんだかんだ考えてもレース始まる前に答えが出るわけではないので、今大会を混沌に落とすためにも優勝予想はフアン・アユソーで。