レビュー
Rapha




Enter your email address below and subscribe to our newsletter

UAEのCEOジャウロ・マネッティが語る2025ジロ・デ・イタリアでの敗因
昨夜の第21ステージをもって第108回、2025ジロ・デ・イタリアが終了した。最終日のステージ優勝はオラフ・コーイ。そして今大会の総合優勝はもちろんサイモン・イエーツ。
関連記事:Visma完勝で2025ジロ閉幕!第21ステージはオラフ・コーイが優勝。その結果とハイライト。
もちろんサイモン・イエーツが勝った要因は、7年前にマリア・ローザを奪われたフィネストレ峠でカラパスとデル・トロを引き離し、その後にチームメイト、ワウト・ファン・アールトという強力なカタパルトを得たことだ。
関連記事:2025ジロ第20ステージは奇跡の総合大逆転!サイモン・イエーツが7年前のリベンジを果たし、マリア・ローザを奪取!ステージ優勝はクリス・ハーパー!
その第20ステージについて、昨日UAE Team Emirates – XRGのCEOを務めるマウロ・ジャネッティが、「作戦ミスがあったし、あのとき、デル・トロは限界にきていた」と認める。
当日、彼はフィネストレ峠で走るデル・トロの後方のチームカーに乗っていた。そしてデル・トロはその時点でデル・トロは脚に限界がきていたと語る。
通常のグランツールでは、決定的に重要なステージあるいは総合首位から陥落しそうな状況下ではリーダージャージを着る選手自らが率先して集団の先頭を牽引し、リスクをコントロールしなければならない。
しかしその第20ステージのフィネストレでは常にカラパスの後ろについていただけだった。その状況にカラパスは明らかに苛立っていた。もちろんカラパスとしてはデル・トロが協調すればサイモン・イエーツに追いつくのは可能、または総合順位を死守することは可能だと思っていたはずだ。
だがデル・トロが限界に来ていたことで、デル・トロ自身が総合優勝よりもその時点での体力温存と自滅による総合表彰台からの陥落を避けることを最優先したのだろう。フィネストレ峠の登りが終わるまでは我慢し続けることを選んだ。
そしてその後の下りと最後の登りにいくまでのつなぎの区間で、デル・トロはカラパスと協調しようと提案したが、カラパスそれをは拒否。フィネストレ峠でデル・トロが協調しなかったことでカラパスは「勝手にしろ、もう知らん」と諦めたわけだ。
今回の情報源記事だけではUAEのチームカーがフィネストレ峠でデル・トロにどのような指示を出したのかは明らかになっていないが、少なくともカラパスの後ろにつき続ける選択を受け入れていたのではないだろうか。だがそれがその後どういう結果になるかは予想していたはずだ。
そしてもう1つの要因が、逃げにUAEのメンバーを一人も送り込めなかったこと。ジャウロ・マネッティは「もし逃げに一人誰か入っていれば、最終局面でデル・トロをアシストすることができかかもしれない」と話し、逃げに乗せられなかったのを悔いる。
ただ現実的に考えると第20ステージでUAEがそれを実行したかったとしてもかなり困難な事情が存在していた。それは人数不足だ。UAEは強力な機関車ジェイ・ヴァインを第17ステージで、さらにダブルエースの一人フアン・アユソーを第18ステージで欠いていた。
カラパスのEF Education-EasyPostが誰も欠くことない状態で総攻撃を仕掛けてくることが予想される中で、そうしたUAEの数的不利さが逃げにチームメイトを乗せるという作戦実行を困難なものにしたと考えられるのではないか。