レビュー
Rapha








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Red Bull-BORA-hansgroheのフロリアン・リポヴィッツが、2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージで好タイムを出せたのは、ケイツビートンネルでのTTテストのおかげか
昨日の2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージは個人TTだったが、そこでRed Bull-BORA-hansgroheの24歳のドイツ人、フロリアン・リポヴィッツ(Florian Lipowitz)が好タイムを記録し、タデイ・ポガチャルに迫るステージ5位に入った。その結果とハイライト動画はこちらの記事でどうぞ。
→レムコ異次元でポガチャル伸びず!2025クリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージの個人TTはレムコ・エヴェネプールが圧倒的タイムで勝利し総合首位へ!
もともとバイアスロン(スキーのクロスカントリーと射撃を組み合わせた冬のスポーツ)の選手だった彼だが、2022年8月から研修生としてBora-hansgroheに所属し現在に至る。
そんな彼の今回の好タイムを支えた秘密兵器はRedBullが用意した走行テスト環境だったかもしれない。それは、次世代型風洞トンネルと言われるケイツビートンネル(Catesby Tunnel)だ。
チーム公式:Florian Lipowitz makes WorldTour debut in iconic Catesby Tunnel aero test
ケイツビートンネルとは、かつて廃道となった鉄道路線にあるトンネルで、イギリスはダヴェントリーの南西6kmにあるトンネルだ。完成は1887年で、実際に1966年まで国鉄によって使われいたが廃道となった。全長2740mkm、幅8.2m、高さ7.8m。斜度は安定して0.006%。
それが今はコストパフォーマンスに優れた風洞実験トンネルとして生まれ変わっている。ケイツビートンネルのプロモーション動画がこちら。
科学的な実験において重要なのは再現性だ。エアロ性能や走行性能を計測するとき外の世界を走れば、毎回の計測ごとに当然に風の影響や路面の状態から影響を受けてしまい、同じ条件でのテストというものが困難。
もちろん通常の本格的な風洞トンネル実験設備をレンタルするのもありだが、それには相当高額の費用がかかる。
だがこのケイツビートンネルは風雨や天候の影響を受けないトンネルと安定した理想的な斜度によって再現性のある実験が容易であり、また、コストもこれまでの通常の本格的な風洞トンネルよりも安い。実際の現実世界で車などを実際に走らせてデータを取れるというのも魅力だ。
この廃道となったケイツビートンネルの価値に目をつけ、再開発をして、管理・運営しているがイギリスの空力の専門家ロブ・ルイスが設立したTotalsimグループだ。ルイスはもともとF1チームに関わっていた人物でもある。
そして上のチーム公式ページでも紹介されているように、フロリアン・リポヴィッツが実際にこの設備を利用しTTパフォーマンスの向上に取り組んだ。その結果が今回の好タイムにつながったというわけだ。
今後この設備を使うロードバイクブランドや選手が増えてくるかもしれない。