ポガチャルが3年前の雪辱！2025ツール・ド・フランス第12ステージは超級山岳オタカムで攻撃をしかけたポガチャルが独走でステージ優勝

昨夜の2025ツール・ド・フランス第12ステージはついに今大会最初の超級山岳が登場。しかもその山頂フィニッシュというタフなステージ。総合争いにとって重要なそんな日に、タデイ・ポガチャルが3年前のツールでの敗北の雪辱を果たした。

第12ステージのコース

コースプレビューと優勝予想は記事「今夜ついに超級山岳フィニッシュ！2025ツール第12ステージのコースプレビューと優勝予想」で。

レース展開ハイライトとレビュー

51人が逃げｗｗｗ

スター直後の逃げ合戦がおちついたあと出来た集団の大きな分断。それによって出来た逃げはなんと51人。そのメンバーは次のとおり。

ポイントはUAEからティム・ウェレンス、そしてTeam Visma | Lease a Bikeからティシュ・ベノートが、さらにスーダル・クイックステップからはマキシミリアン・シャフマン。3チームとも前待ち作戦の準備完了？

コカール骨折？

残り95km地点でCofidisのエーススプリンターであるブライアン・コカールが道端で謎の停車。右指をしきに気にし、それを医療フタッフに見せている映像が映る。

指にテーピングのようなものをして右手中指と薬指をくっつけて固定するような処置をする。突き指？骨折でもしたか？それなら一体どこでそんな怪我をしたのだろうか。落車でもしたのだろうか。

この処置のあとコカールはレースに復帰する。

残り50km、1級でレムコ遅れる！

今日1つ目の勝負どころの1級山岳に入ると、Team Visma | Lease a Bikeがプロトンを牽引。このVismaのペースアップになんとレムコ・エヴェネプール（新人賞ジャージ）が遅れる。

またついにマイヨ・ジョーヌのベン・ヒーリーも遅れる。チームメイトのハリー・スウェニーが献身的に彼をアシストしながら登り続ける。

超級山岳オタカムでポガチャル爆発！

そしてついに今大会初の超級山岳となる超級山岳オタカムの登りが始まる。遅れていたレムコもオタカムに入るときにはポガチャルらに追いついていた。マイペース走法強し。

ところがここでVismaがよくわからない状態に陥る。

というのも、上述の1級山岳ではしっかりと人数を揃えて積極的にプロトンを牽引していたにもかかわらず、このオタカムに入るとセップ・クスもサイモン・イエーツもみんないなくなり、ヴィンゲゴーが一人だけになる事態に。ちなみに🐷が優勝予想にあげていたジョーゲンソンは1級山岳ですでに遅れる始末。

一方でUAEはティム・ウェレンスが登り口で先頭を牽引、そこからアダム・イエーツとジョナタン・ナルバエスが残っている状態。

3年前の2022ツール・ド・フランス第18ステージでは、この超級山岳オタカムでワウト・ファン・アールトが鬼の牽引でヴィンゲゴーをアシスト。2対1の状態でポガチャルを攻撃し、ポガチャルを落とすことに成功。そしてヴィンゲゴーが独走勝利でポガチャルに1分差をつけた登りだ。

しかし今日は完全に立場が逆だ。そんなことを思っていた矢先、

🐷「ポガチャルいったあああああ！」

UAEが誇る登りカタパルトことナルバエスが一気に加速。ポガチャルがその背後から一気にアタック。ヴィンゲゴーが少し遅れる！

🐷「うあああああああああああ！これアカンやつや！」

ヴィンゲゴーがポガチャルについていけない！数メートルの差がどんどん広がっていく。

この後ポガチャルは一人で逃げていたDecathlon AG2R La Mondialeのブルーノ・アルミライルをも抜き去り、ヴィンゲゴーとの差も10秒、30秒と開いていき完全に独走態勢。

10km以上の登りだけにポガチャルの勢いがおさまればヴィンゲゴーも後方から追いつけるのではないかと期待もしたが、ヴィンゲゴーの苦しそうな表情を見るとそれも不可能だと理解してしまった。

🐷「ログリッチ、なんで（普通の靴下を）履いてないん？」

ポガチャルはヴィンゲゴーとの差をどんどん開くことに成功。その差は残り1kmで2分に届こうかという状態に。

結局ポガチャルが約11kmを独走してステージ優勝。再びマイヨ・ジョーヌを奪還した。

上でも書いたが、この第12ステージは3年前の2022ツール第18ステージとは全く逆の展開だったと言っても過言ではないだろう。

3年前はワウトの高速牽引からヴィンゲゴーが発射したが、今年はナルバエスの高速牽引からポガチャルが発射。3年前はヴィンゲゴーが1分差をポガチャルにつけたが、今年はポガチャルがヴィンゲゴーに2分以上の差をつけた。

これでポガチャルは3年前の雪辱を完璧に、いやそれ以上に果たしたことになる。

Vismaの走りに疑問符

それにしてもVismaの作戦はこれで良かったのだろうか。超級山岳の勝負どころを前にアシストを使い切ってしまったのは作戦どおりだったのだろうか。

何か想定外のことがあったのだろうか。たとえばマッテオ・ジョーゲンソンなどの調子が悪かったとか、レース前の想像以上にレース中にアシスト陣が消耗してしまっていたとか。

Vismaの当初の思惑とはどうも違う展開になっていたのではないかと思ってしまう。

一方でUAEはしっかりとポガチャルのためにアシストを温存していた。これが現時点での両チームの力の差なのかもしれない。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	1位との差
2	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	2:10
3	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	2:23
4	Tobias Halland Johannessen	Uno-X Mobility	3:00
5	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	,,
6	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	3:33
7	Remco Evenepoel	Soudal Quick-Step	3:35
8	Felix Gall	Decathlon AG2R La Mondiale Team	4:02
9	Primož Roglič	Red Bull – BORA – hansgrohe	4:08
10	Cristián Rodríguez	Arkéa – B&B Hotels	7:26

総合トップ10

1	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	45:22:51
2	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	3:31
3	Remco Evenepoel	Soudal Quick-Step	4:45
4	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	5:34
5	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	5:40
6	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	6:05
7	Primož Roglič	Red Bull – BORA – hansgrohe	7:30
8	Tobias Halland Johannessen	Uno-X Mobility	7:44
9	Felix Gall	Decathlon AG2R La Mondiale Team	9:21
10	Matteo Jorgenson	Team Visma | Lease a Bike	12:12

各賞1位

総合1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
ポイント賞1位	Jonathan Milan（Lidl-Trek）
山岳賞1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
新人賞1位	Remco Evenepoel（SoudalｰQuickStep）