2025ツール・ド・フランス第19ステージがアレンスマンが雨の超級でアタックして独走勝利！ヴィンゲゴーがステージ2位！

前日の第18ステージで2025ツール・ド・フランスの総合優勝争いは総合タイム差から考えて99％終了したといっても過言ではない。しかし人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、そして「まさか」である。第19ステージでもそのまさかが起きないとは限らない。

特にVismaとRed Bullが最後にどういった作戦で走るのかが注目どころだった。そしてまた総合トップ10内の順位がどうなるかもまだ事実上確定したとも言い切れない状況だった。

そんな第19ステージのレビュー、結果、ハイライトを。

第19ステージのコース

すでに紹介したように今日の第19ステージは短縮されている。その詳細と優勝予想は「本日の第19ステージはコース変更に。2025ツール・ド・フランス第19ステージのプレビューと優勝予想」で。

短縮「前」のコースはこの画像のとおり。短縮後は最初の1級山岳のセジー峠がなくなった。

残り19km、今大会最後の超級山岳プラーニュ！

UAEが先頭で突入。ログリッチが遅れる。

まだ残り14kmであるところでアレンスマンがアタック！

後方で反応したカウンターアタック！ヴィンゲゴーがついていく！

しかしこのあとポガチャルとヴィンゲゴーが先頭集団になるがすぐにペースが落ちて、アレンスマンがおいついてくる。

そして再びアレンスマンがアタック！今度はポガチャルとヴィンゲゴーはこれを簡単に見送る。このあとアレンスマンは後方との差を広げ、残り9kmで30秒差をつける。

またペースを落としたポガチャルとヴィンゲゴーに後方から、フロリアン・リポヴィッツやオスカル・オンレーたちの集団が合流してくる。

残り9kmの時点でアレンスマンを追走するポガチャルグループには、ポガチャルとヴィンゲゴーの他に、リポヴィッツ、オンレー、ベン・ヒーリー、フェリックス・ガル、トビアス・ヨハンネセン。

そして残り6.9kmで再びポガチャルがアタック！ヴィンゲゴーとオスカル・オンレーが食らいつく。オンレーは前日の第18ステージでもフィニッシュ直前までポガチャルとヴィンゲゴーについていけていたので、2日連続で調子が良いのか？

一方でこれまでフランス期待の星として粘ってきたケヴィン・ヴォークラン。総合順位は7位。残り3kmの時点ですでに5分近く遅れており、そのままでは同8位のトビアス・ヨハンネセンに総合順位を逆転される可能性が高くなる。ヴォークランが倍の10分以上遅れるようならベン・ヒーリーにも逆転されるがさすがにそれはないか・・・

残り2kmを切ると先ほどポガチャルのアタックについていったオスカル・オンレーがきつくなり遅れ始める。総合ライバルで順位が1つ上のリポヴィッツはポガチャルたちについていけているので、第18ステージとは逆の立場になってしまう。たった1日でこのような天国と地獄に変化するのがグランツールのおもしろいところだ。

これでオンレーがリポヴィッツを逆転して最終日に総合表彰台にあがる可能性がかなり低くなったか。

そしてステージ優勝はテイメン・アレンスマンが後方から迫るポガチャル、ヴィンゲゴー、リポヴィッツから逃げ切り優勝。

🐷「ポガチャル落車寸前！」

これでアレンスマンはレムコがリタイアした第14ステージに続いて今大会2勝目。

関連記事：レムコがリタイア、ヴィンゲゴーがアタック。2025ツール・ド・フランス第14ステージはテイメン・アレンスマンが勝利。その結果とハイライト

アレンスマンは今年のジロ・デ・イタリアにも出場して完走しており、そこから続いてのツールでINEOS Grenadiersで唯一目立った結果を残した。強い。

大会前のエースはカルロス・ロドリゲスだった気がするが、そのロドリゲスは第18ステージをDNSだった。

今大会はここまでスプリンターを除けば、ステージ優勝を複数回達成したのはタデイ・ポガチャルとテイメン・アレンスマンだけ。そう考えればアレンスマンはINEOS Grenadiersのエース？として見事だし、INEOS Grenadiersもツールで2勝という結果は大きな価値があるのではないか。

そしてポガチャルは最後雨だったこともありかなり疲れていたのではないかと思う。絶好調のポガチャルならステージ優勝を狙って、ヴィンゲゴーがついてこようがおかいましにロングアタックをしかけてもおかしくなかったのではないか。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Thymen Arensman	INEOS Grenadiers	1位との差
2	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	0:02
3	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	,,
4	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	0:06
5	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	0:47
6	Felix Gall	Decathlon AG2R La Mondiale Team	1:34
7	Tobias Halland Johannessen	Uno-X Mobility	1:41
8	Ben Healy	EF Education – EasyPost	2:19
9	Valentin Paret-Peintre	Soudal Quick-Step	3:47
10	Simon Yates	Team Visma | Lease a Bike	3:54

総合トップ10

1	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	1位との差
2	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	4:24
3	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	11:09
4	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	12:12
5	Felix Gall	Decathlon AG2R La Mondiale Team	17:12
6	Tobias Halland Johannessen	Uno-X Mobility	20:14
7	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	22:35
8	Roglič Primož	Red Bull – BORA – hansgrohe	25:30
9	Healy Ben	EF Education – EasyPost	28:02
10	Ben O’Connor	Team Jayco AlUla	34:34

各賞1位

総合1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
ポイント賞1位	Jonathan Milan（Lidl-Trek）
山岳賞1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
新人賞1位	Florian Lipowitz（Red Bull – BORA – hansgrohe）