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Rapha




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LottoがIntermarché-Wantyと合併せざるを得ない理由とは?
先日の記事「UAEがスペインの19歳の天才アドリア・ペリカスと5年契約、ジョナタン・ミランの弟がGroupamaーFDJと契約、Lottoのアレック・セガールトはBahrain Victoriousへ」において、Lottoに所属する22歳の若きベルギー人、アレック・セガールト(Alec Segaert)がBahrain Victoriousと契約を結んだことを紹介した。
セガールトは3年連続でU23のヨーロッパ選手権個人TTで優勝しているTTスペシャリストで、Lottoからも将来を嘱望されていた選手だった。しかもLottoの育成チーム出身でもある。
そんな彼の移籍に関連して、LottoはIntermarché-Wantyとの合併しなければならない事情を明らかにする。
まず現在ProTeamのLottoはずっとセカンドスポンサーを探してきたがなかなか見つからなかったという事情がある。そのためチーム予算には限界があり、膨張し続けるプロチーム運営予算、そしてトップチームとの予算の格差の拡大といった問題に対応するのが困難となっている。
その結果、才能・実力ある選手に対して魅力的なオファーを出せないことが大きな問題となっている。
ティム・ウェレンスが2023年にUAEへ移籍したことがその例だが、一方で今回のアレック・セガールト移籍のほうがLottoへのダメージは大きいと言える。
なぜなら現在34歳のティム・ウェレンスについてはある程度年をとってからの移籍であり、一方でアレック・セガールトはLottoの育成チーム出身でまだ22歳という若さという違いがあるからだ。
中堅やベテランどころが移籍するのは仕方ないし、それを禁止することは誰にもできない。しかし若い才能については話は別だ。
Lottoとしては若い才能を育て、いざ「さぁこれから若手に活躍してもらって、彼らに投資した分を返してもらおう」と考えているときに、他チームにその才能を奪われてしまうわけだ。しかも奪う側はベテラン選手よりもおそらく安いお金で若い才能を手に入れられる。
これではLottoの一人負けである。そしてそうした流出を止めようにもLottoにはお金がない。
今回のセガールト移籍についてもLotto側は、
if that merger had been completed earlier, it would have opened up opportunities for riders like Alec.
訳「もしチーム合併がもっと早く完了していれば、アレック・セガールトのような選手に魅力的な残留オファーを出せていただろう」
Lotto側は、まさにそうした有望株を失わないために、Intermarché-Wantyとの合併によるチーム予算の増大、そしてチーム運営の安定性の確保が急務であり重要なことだと主張する。